岡山コミュニケーション研修講演企画・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
起きてしまった出来事を変えることはできなくても、その出来事をどう捉えるかは自分で決められるということを最近のブログ、子どもの将来が不安?親は自分を変える努力をするだけでいいで書きましたよね。
認知の歪みは子どもの頃の経験が影響
出来事が起きた後、それをどう捉えるかということを『認知』といいます。
例えば、夜に雪が降りだしたという出来事が起きたとき、僕と妻の認知はどう違ってくるでしょうか?。
僕の認知「久しぶりにスキーに行きたいなあ」
妻の認知「今夜はさらに冷えそうだわ」
このように、大きな違いが生まれます。そして、この認知の後に『感情』も生まれてきます。
僕の感情「降りたての新雪を滑ったら気持ちいいだろうなあ」という楽しみや喜び。
妻の感情「寒いのは大嫌い。身体が冷えると動くのも嫌になるわ」という悲しみや嫌悪感。
『雪が降る』という同じ出来事なのに、認知が違うと感情まで大きく違ってくるわけですね。
感情が違えば、その後の『行動』も違ってくるというのも理解しやすいと思います。
この『認知』が極端だったり、非現実的だったりといったバランスの悪い捉え方のことを『認知の歪み(ゆがみ)』といいます。
幼い頃から親に怒られることが多かったり、否定されることが多かったりといった、失敗や恥ずかしい経験ばかりを積み重ねていると、『認知の歪み』が起きやすくなると言われています。
特に、自分の感情や行動を自分でコントロールする力を身につけることが、不十分なまま成長していった子どもの場合、日常的に叱責されることが増えますから、認知の歪みは起きやすく、自分に自信がなかったり、何かにつけて物事を否定的に捉えるようになっていきます。
ちなみに、自分をコントロールする力を身につける時期は、子どもが自己コントロールできるには?幼児期の自律性が影響で書いていますので、ご覧ください。
認知の歪みが強い子どもは、「どうで僕なんかダメだ」「頑張ってもできるはずない」と信じ込んで、チャレンジすることをやめたり、困難を乗り越えていこうとする前向きな気持ちを持とうとしなくなります。
無力感が強くなるんですね。こういう状態のことを『学習性無力感』というのですが、これはマーティン・セリグマンという心理学者が実験によって提唱したものです。
その実験とは?次のページへ。
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