怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
テニスの全豪オープンで大坂なおみ選手がベスト4に入りましたね。ベスト8をかけた試合は接戦で、大坂選手は途中ミスもありました。
以前ならば、ミスをした後にラケットを投げつけることもあったそうですが、自分の気持ちを落ち着かせてプレーに集中できたことが勝因のようです。
大坂選手のコーチも次のようにコメントしています。
試合中に自分で問題に気付き、解決して勝利した。彼女が大人になり、ここまで多くの準備をしてきたことがみてとれてとてもうれしい。自分の気持ちをうまくコントロールできるようになっていると思うし、今回の彼女の成績については非常に誇りに思う
NHK NEWS WEB 2019年1月21日 12時12分)より引用
お昼のワイドショーで、大坂選手が気持ちを落ち着かせる様子が流れていたのをたまたま見たとき、「これは、アンガーマネジメントのテクニックと同じだ!」って思ったのです。
大坂なおみ選手の冷静なプレーにつながった感情コントロール
ミスをした大坂選手は、いったんコートから出て相手選手とは反対の方向を向き、すこしうつむき加減で息をしっかりと吐きながら深呼吸して、気持ちを落ち着かせていました。
アンガーマネジメントのテクニックで言えば『タイムアウト』と『呼吸リラクゼーション』に当てはまります。
『タイムアウト』は、怒りがエスカレートする前に、いったんその場所から出て行くとか、気持ちを落ち着かせて仕切り直すテクニック。怒りで自分自身を見失ってしまい、怒りに自分がコントロールされてしまうことを防ぐというわけですね。
『呼吸リラクゼーション』は、深呼吸のこと。人は怒りを感じたとき、緊張したとき、「ハアハア」って早く浅く呼吸してしまいがちです。そうなるとさらに興奮状態になってしまいますから、それを防ぐために、息を口から7秒~10秒くらいかけてゆっくりと吐ききるのです。そのときに、お腹を凹ませながら最後まで吐ききるようにしてください。
大坂選手は『タイムアウト』でいったん仕切り直す時間をとり、そのときに『呼吸リラクゼーション』で乱れかけた気持ちを落ち着かせて、プレーに集中することができたのだと思います。
これは、子育ての場面でも活かせますよ。
子育てにアンガーマネジメントは効果がある
子どもにイライラして、反射的に怒りの感情をぶつけたくなったときに使えます。
多くの場合、カッとなって子どもに言っても感情的になるだけで伝わらない。子どもへ親の気持ちが伝わるよりも、子どもは嫌な気持ちになるだけ。さらに、怒った後に親自身も「あ~、またやってまった」と怒りすぎたことで後悔するだけ。
だから今日もまた怒りの導火線に火がついたなと気づいたときに、まずは目の前の子どもから離れるんです。いったん部屋から出るとか、外に出て深呼吸してみる。
そして、気持ちが落ち着いてから、本当に自分が伝えたいことは何かを考えて子どもへ伝えるとか、もう今日は言うのやめて子どもに任せておこうってこともありです。
僕の子育てアンガーマネジメント講演に参加された親御さんは、講演後に早速実践されて効果があったという感想や報告がくることがあります。
しかし、時間がたつとだんだんとアンガーマネジメントを意識することが減ったり、方法を忘れたりしてまたもとに戻るというかたもいます。だから、リピーターのかたも結構いらっしゃいますね。
・今回で2回目の受講でしたが、楽しくアッという間に終わってしまって、もう少しお聞きしたかったです。2回目ですが、すでに忘れていることも多く、再度勉強できてよかったです。「6秒待つこと」・・・そうだった!
リピーターのかたの感想ですが、こう言われるかたは時間はかかっても、だんだんとアンガーマネジメントを自分のものにできていくんですよ。
ところが、そうじゃないかたもいらっしゃるんですよね。
アンガーマネジメントできないのではなくやろうとしないだけ
アンガーマネジメントでは【腹が立ったら6秒待つ】が鉄則!ところが子どもの持って帰った資料を見たあるお母さん「6秒なんて待てるわけないでしょ!」と、言われたそうです。
やってもみないのに「自分にはムリ」だなんて、それを子どもに言うなんて悲しいですね。アンガーマネジメントできないのではなく、やろうとしないだけですよ。
アンガーマネジメントは、自分を変えるためのツール。自分を変えるというのは、一晩でできるようなことじゃないです。
何十年も染みついた自分の思考や行動の癖ですから。イライラしたり、怒りを家族へぶつけたり「そんな自分が嫌だ!」と思っても同じことを繰り返してしまうのは、そのほうが自分にとって楽だからなんですよ
だから、反射的に怒ってしまうのも自分には慣れ親しんだ行動なのです。右利きの人が左手で字を書くようなもの。それを変えていくには、毎日毎日練習と失敗の繰り返しでいいんですよ。だから、あきらめないでください。失敗してもいいですから。
継続していくには時々復習するのが効果的。初めての方もリピーターの方もぜひご参加ください。アンガーマネジメントと叱り方とアンガーマネジメント総合診断がセットになった、ものすごくお得な講座です。
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