怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
子どもの『見て見て行動』は、親への黄色信号。
注目行動を止められない子どもの心理とは?
10月から12月にかけては講演会のシーズン。
今月は24本の講演や研修の予定が入っています。ありがとうございます。
さてこの時期に一番多いのが、教育関係からの講演依頼。
特に小学校。前半は児童&保護者対象に講演させていただき、後半は保護者対象に講演というパターンが結構多いです。
どこの小学校行っても、すごく発表してくれる子どもや茶々を入れてくれる子どもがいます。
学校によっては講演が始まる前に「少し落ち着きのない子どもがいるので、失礼な態度をとるかもしれません。」と、先生から伝えられることもあります。
でも僕は大人しく聴いてもらうより、茶々を入れてもらえるほうが話しやすいので「全然問題ないですよ。そのほうがかえって話をしやすいですから。」とお伝えしてます。
僕は講演に来て1回話をして終わりだから、茶々を入れられても問題ないかもしれないけれど、これが毎回授業のたびにやられていたら、たまったもんじゃないって思われている先生も多いことでしょうね。
さらに、そういった落ち着きのない子どもは、しょっちゅう学校から連絡が入ってきたりするもんです。
「今日も授業中に私語が多くて周りの友達に迷惑をかけていたので、お家でもどうしていけばいいのかを話し合ってもらえませんか?」
親としても、こんな連絡がしょっちゅう来てたらたまったもんじゃないです。
「もう!なんで黙って授業をうけられないの!?人の迷惑を考えていい加減にしなさい!」
と、怒ってしまうかもしれませんね。
ところがそうやって怒っても、なかなか改善されないことのほうが多いのではないでしょうか?
逆に怒れば怒るほど、子どもの行動は悪化していませんか?
それには、子どもなりの理由があるからなんです。
子どものマイナスよりプラス行動に注目する
・思わずパッと声に出してしまう
・考えるより先に動いてしまう
こういった行動をすると、「こらっ!静かにしなさい!」「席に戻りなさい!」と、先生から注意を受けます。
それは、先生からも周りの友達からも注目されるということ。
実は、子どもは無意識に注目されていることに心地良さを感じています。
注目されるということは、『自分の存在価値』を感じているということ。
だから、♬止められない止まらない(笑)
心地良いことに制限かけられるのって、大人も子どもも同じでとってもストレスになります。
だから「こらっ!静かにしなさい!」って、怒るだけでは効果は少ない。
だから、さらに大声で怒ってしまう。
子どもはその時は嫌な気持ちになるかもしれませんが、注目されていることのほうが心地良いので、やっぱり♬止められない止まらない(笑)
こういった子どもの行動を『見て見て行動』って言いますよね。
これは裏を返せば、子どもの心が満たされていないから、「僕のこと、私のこと、見て見て!」って注目させて、心を満たそうとしているんです。
もしあなたのお子さんが、学校で『見て見て行動』をしょっちゅうやっているなら、お子さんへの関わり方を見つめ直してください。
①子どもの話に耳を傾けているか?
②子どもに肯定的な言葉をかけているか?
③子どもと触れ合う時間をとっているか?
①~③をチェックしてみてくださいね。
もし、不足している部分があるようなら、いつからでもまた育て直しすればいいですから、①~③をやってみてください。
③については、思春期ともなれば抵抗があるかもしれませんが、勇気を出してやってみましょう!
意外と不足している子どもは、すんなりと受け入れてくれたりするみたいですよ。
そして学校での行動については、「静かに黙って授業受けるんだよ!」というよりも、子どもが実行可能なことを具体的に提案してやったほうがいいですね。
「なにか言いたくなったら、まず手を挙げて先生に許可をもらってから言うようにできないかな?」といった感じです。
すぐにできるかどうかはわかりませんが、もしそれができたときには「お願いしたことが今日はできたそうだね。ありがとう!」って喜んであげるんです。
できないことを怒るばかりするより、できたことを喜んだり感謝を伝える。
地道な繰り返しになりますが、そうやっていくうちに、子どもは親の喜ぶ姿に心地良さを感じていきます。
マイナス行動に注目するより、プラス行動に注目すれば、だんだんと子どもの行動が変化し始めていくんですね。
でも、時間はかかりますよ。
だからこそ、親はアンガーマネジメントで自分の怒りと上手に付き合う技術を学んでおく必要があるんです。
そして、子どもの『見て見て行動』は、親への黄色信号。
子育てを見直す良いきっかけですから、チャンスと思って子どもへ向き合ってくださいね。
アンガーマネジメント、コミュニケーション、子育て
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