怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
「子どもの行動が理解できない!」
と言われる親御さんがいらっしゃいます。
子どもの行動を理解できないから
「なんでこんなこともできないの?」
「何度言ったらわかるんだ?」
「あなたと違ってこれくらいできてたよ」
こうやって子どもを責めていくという悪循環に・・・。
でも、子どもの行動というのは勝手に身についたものではない。
本当は親の関わり方の結果として、目の前の子どもの行動にあらわれているんです。
幸福な人生を送るためのライフサイクルモデルとは?
精神分析学者のエリクソンが提唱した『ライフサイクルモデル』
乳児期【基本的信頼感】
幼児期【自律性】
児童期【自主性】
学童期【勤勉性】
思春期・青年期【自我同一性】
成人期【親密性】
壮年期【世代性】
老年期【人生・自我の統合】
それぞれの時期に達成すべき課題が【 】に書かれたことです。
この課題を解決しておかないと、危機的な状況が訪れると言われています。
例えば、乳児期に形成される【基本的信頼感】は、母親との愛着形成がしっかりできることで達成されます。
お母さんは無条件に子どもを愛すると、子どもには「お母さんは無条件に愛してくれる」という安心感が生まれます。
それが母親を信じるということになっていくわけです。これが基本的信頼感の形成なんですね。
そして『自分を信じ、人を信じる力』が身につくわけです。
ところが、十分な愛着形成ができないまま成長していくと、自分も人も信じられません。
そうなれば、他人への思いやりも育ちません。
友達へちょっかいを出したり、先生を困らせたりする子供。
そいういう子どもは、自分にかまってほしいのです。
大抵の場合、基本的信頼感が身についていない。
このように、その時期に解決しておかなくてはいけない課題を置き去りにしたままにすれば、必ず後で取り返そうと、別の形で現れてくるんですよね。
だから、子どもの問題行動と思えることにも必ず意味があるのです。
良い子のまま大きくなった子どもの持つ危険性
・親に厳しく育てられた。
・親に甘えず自分で何でもできた。
・手のかからない良い子だった
こういった成長をした場合、見た目は何も問題なく成長していきます。
しかし、ライフサイクルの課題を解決しないまま成長しているってことがよくあります。
そういう成長をしていくとどうなるか?思春期あたりから変化が出ることが多いです。
良い子だった子どもが家で暴れる。
社会人になって家に引きこもる。
「友達に悪口を言われたから、学校へ行きたくない」
「会社の同僚と上手くやれなくなって、自信を無くした」
何かちょっとしたきっかけをもとに、それまで表面に現れていなかったことが出てくるんですよね。
学校や会社などに原因があるように見えて、実はそれはきっかけであって、原因は発達課題を達成していなかったことが多いですね。
思春期の子育ては、もう一度子育てやり直す気持ちでいい
「子どもの行動が理解できない!」
そう思ったときは、子どもが今何に苦しんでいるのか考えてみればいいと思います。
そして、ライフサイクルのどの課題が解決できていないのかも考えてみましょう。
子育てはいつからでも、やり直しができますす、完璧な子育てなんてできませんよ。
特に思春期は子供に予想外の変化が現れたりしやすい時期。そんなときは、「もう一度子育てやり直すチャンス!」って思えばいいんです。
「子供と一緒に親も成長していこう!」
そんな気持ちでいきましょう。
親も子どもによって育ててもらえます。子育ては親育てって言いますからね。
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