岡山コミュニケーション研修講演企画・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
前回のブログ怒って暴れる子供に反応しない！良い行動に感謝と喜び伝えるでは、親が注意すると怒って逆ギレするお子さんについてのことでしたね。
このお子さんのご両親へ伝えたアドバイスのなかで、子どもへ注意するときに心がけておくことがあります。
注意をしなければいけないときには『否定形で伝えない』ということ。
これって、意外と多くの親がやりがちな伝え方なんです。
昨年のことになりますが、当時一人暮らしを始める娘のマンションへ荷物を運びこんだり、買い物をしたりしていたときのこと。
大型ショッピングセンターで必要な買い物をして、駐車場へ向かっているとき、妻と娘が違う方向へ行こうとしたので僕はこう言ったのです。
「そっちじゃないで！」
しかし、この言葉はまさに『否定形』。
すぐに妻が「『こっちだよ！』って言ってもらった方がいいんだよ。」って指摘。
そうなんです。その通り。なぜなら、潜在意識は否定形を理解できないからなんです。
僕は以前からこのことを講演でもいうことがあったり、ブログでも書いたことがあるのに、意識していないとついついこうやって言葉に出てしまうんですよね。これは反省。
親がダメと言っても子供は行動する理由とは？
子育てしているとつい言ってしまうのが、否定的な言い方。
「ゲームばかりしないで！」
「こぼさないでよ！」
潜在意識は否定形を理解できない。実は否定的な言い方を聞いた子どもは、否定をイメージできにくいのです。
否定をイメージできないから「ゲームばかりする」「こぼす」といった、否定形の前にある言葉をイメージしていまいます。
では実際に体験していただきましょう。次に書かれている指示を守ってください。
「梅干しをイメージしないでください」
「ピンク色の空飛ぶゾウをイメージしないでください」
いかがですか？思わず酸っぱそうな梅干しがイメージされて、唾液が出たり、あごの辺りがムズムズしませんでしたか？思わずピンク色のゾウが空を飛ぶイメージが浮かんできませんでしたか？
このように、否定をされても脳は勝手にイメージしてしまうのです。だから子供へ否定形で伝えても、なぜかダメと言われた行動をとってしまったりするわけです。
「ゲームばかりしないで！」と言われれば、ゲームをするイメージが浮かびます。さらにゲームは楽しいという記憶が鮮明に残っていますから、ますますゲームをやりたくなるのです。
「こぼさないで！」と言われると、『こぼす』という行動をイメージして体が反応してこぼしてしまう。
例えば僕は中学生の頃、バスケットボール部だったのですが、試合の肝心なところでシュートをミスすることがよくありました。
すると、常に「シュートを外してはいけない」と強く念じてしまうようになり、相手チームのディフェンスが一人もいないフリーな状態になってのランニングシュートという絶好のチャンスでも、外してしまったことがあります。
あなたも僕のように似たような経験はありませんか？
「ミスしないように」と、強く自分に言い聞かせてミスしてしまったこと。
「ミスしないように」って思えば思うほど、ミスしてしまったってこと。
子供へ注意するときは肯定形で伝える
否定形を理解できないのが潜在意識だと理解すれば、子どもへの声掛けは変えられますよね？
子どもへ注意するときは、肯定的な声掛けをしたほうが効果的です。
「ゲームばかりしちゃダメ！」
→ゲームの時間はあと5分で終わりだよ。
「コップの水をこぼさないでよ！」
→コップを両手で持って、ゆっくり持ち上げてごらん。
このように子どもがイメージしやすい言葉がけをしてみてはいかがでしょうか？
そして、子供が上手くできたら喜んでやることです。
「わー！できたね！」「お母さん助かるわー！」「お父さんは嬉しいよ！」
こんな感じで、素直に親は喜んであげましょうね。子どもも嬉しいですし、次からまた頑張ろうという気持ちになりますからね。
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