怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
「これくらい中学生なら常識」
「普通はこれくらい当たり前」
こういった言葉を言ったり、思っていたりしていませんか?
親や教師が子どもへ言いがちなセリフ。
言う側からすれば、正論を言っているつもりかもしれませんが、果たして本当にそうなのでしょうか?
上下関係を重視しない若者
僕が中学生の頃、先輩には「〇〇さん」と「さん」をつけるのが当たり前で、先輩の言われることに従うのも当然の時代でした。
でも今の中学生は違います。
先輩にも「◯◯くん」と言ったり、フランクに話せる上下関係がすごく増えました。
僕らのような時代を生きてきた親からすれば、違和感を感じるかもしれませんね。
「今の中学生は上下関係がない」
「上下関係をもっと学ぶべきだ」
だからこういった意見も耳にします。
もちろんそれはそれで大事なことではありますが、それが全てではないとも言えます。
なぜなら上下関係において、上から下への指示が絶対的な力を持つことで、間違った指示でも従わなければいけない関係が成り立ってしまう危険性があるからです。
僕は今年50歳になりますが、僕らの世代(40代中盤より上)は、理不尽な指示でも上から言われることは従うことが当たり前できた世代。
もちろん、そうじゃない人もいますが、多くの人は「そういうもんだ」と思って学生時代も社会人になってからも過ごしてきたと思います。
ところが今の若い世代は、先輩ともかなり対等な関係で自分の意見も言える状態で育ってきているので、そういう若い世代を受け入れがたくなってしまう上司もいます。
僕が研修で関わった企業が社内アンケートをとると、かなり高い率で若い世代から「上司がパワハラ的な指示や言い方をする」といった回答が出てきました。
逆に上司からは「パワハラをしているつもりはないが、もしかしたらそう思われるかもしれない」とか「どのように伝えたらいいのかわからない」といった回答がありました。
今まで自分が正しいと信じて行ってきた部下指導が、間違っていたかもしれないということなのです。
この企業では、僕の研修を受けてから部下への関わり方を今までと変えていき、かなり改善されたという嬉しい報告もいただいています。
間違っているのであれば、変えていけばいいんですよね。
自分が考える事がいつも正しいわけじゃない
とこらが人は、自分が正しいと思う生き物。
今までのブログでも出てきた『~べき』『~はず』や、さらに『当たり前』『普通』『常識』といったことを優先しているんですよね。
こういった『べき、はず、当たり前、普通、常識』といった自分だけの価値観や、ゆずれない信念みたいなもの『コアビリーフ』といいます。
でもこれは、人によってさまざま。
さらに変化もしていきます。まさに、上下関係などは時代と共に変化してきました。
人は変化に対応してきたから、恐竜のように絶滅することなく生き続けられています。
「俺たちのころはこうだった」と言い続けるのではなく、今の時代に適した関わり方に対応できるようにしていくことが大切です。
もちろん、人として大切にしたいマナーや礼儀は伝え続ける必要がありますよ。
その伝え方が「挨拶しなさい!」「なんだその声は!」と、強制的にさせられるのでは育たないです。
「挨拶しなさい!」と言う前に、自分が本当に気持ちの良い挨拶を子どもへしていますか?
親も教師も、まずは自分自身を点検してみましょう。
「これくらい中学生なら常識」
「普通はこれくらい当たり前」
こんなことを言うよりも、自分磨きをしたほうがいいですよ。
そうすれば子どもは「あんな大人になりたい!」って、自然と見本にするようになりますからね。
そういうことで、僕も自分磨きをしましてつい先日新たな資格を取得しました。
アンガーマネジメントハラスメント防止アドバイザー
世の中から理不尽な怒りを減らし、誰もが笑顔で働ける環境づくりのお手伝いができればと思っています。
アンガーマネジメント、コミュニケーション、子育て
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