怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
子どもを叱咤激励しなくてもいい!
岡山県では今週は県立高校の特別入試。
できることなら特別入試で合格したいと思っている子どもも多いことでしょう。
親としても、子どもの願いを早く実現させてやりたい親心から、なんとかしてヤル気を出させてやりたいと思うものです。
しかしこれが逆効果になりがち。
子どもへ叱咤激励は逆効果
子どものヤル気を出させようと必死になって「頑張れ!」「まだまだやれる!」「そんなことでどうするの?」「怠けるな!」と、子どもへ気合を入れるつもりの言葉を言い、どんどん勝手にヒートアップしていませんか?
こういった行為を叱咤激励といいますよね。
叱咤激励(しったげきれい)とは?
大声で励まして、奮い立たせること。
「叱咤」は大声で励ますこと。また、大声でしかること。
「激励」は励まし、元気づけること。
引用:g00辞書
これを子どもへすることで、子どものヤル気に良い変化が起きていますか?
「うるせーなー」「わかってるって」
といったような言葉が返ってきて、どちらかといえば、ヤル気よりも嫌な気持ちになっているのではないでしょうか?
子どもの欲求を満たす親の役割とは?
僕は「子どものヤル気を出させたければ、子どもを叱るより認めるようにしましょう!」と、子育て講演ではよく伝えています。
そのときに使うのがマズローの欲求5段階説。
ピラミッドの頂上にある『自己実現の欲求』は成長欲求といって、自分の夢や目標を持って「もっとこうなりたい!」「もっと成長したい!」という自分の内側からみなぎって出てくるとてもレベルの高い欲求です。
この欲求は親や自分以外の人から叱咤激励されるだけでは、なかなか出にくい欲求。
じゃあどうすれば『自己実現の欲求』は出てきやすくなるのか?
それは『自己実現の欲求』以外の4つの欲求を満たすことなのです。
一番下にある『生理的欲求』は、『生きたい』欲求。
「ご飯を食べたい」「寝たい」を満たさなければ、勉強どころじゃないですよね。
その上にある『安全欲求』は、『危険にさらされず安心して過ごした』欲求。
地震で揺れているときに勉強なんてできませんよね。
その上にある『所属と愛の欲求』は、『人と関わりたい』欲求。
家族との温かい関わりがあると、心も落ち着きますよね。
その上にある『承認欲求』は、『自分を認めてほしい』欲求。
頑張っていることを認めてもらったり、褒めてもらったり、労ってもらうと、またヤル気が湧いてきます。
しかし親は、これらの4つの欲求を満たすことよりも、自己実現の欲求ばかりに目がいき、叱咤激励しがちになるわけですね。
一番子どもに必要なことは何か?
家に帰れば美味しいご飯があり、安心できる家があり、家族の温かい関わりがあり、「お疲れ様。がんばったね!」と認めてもらえる。
これらがあれば、子どもは身体も心も栄養をいっぱいにできますから、自然と自分からヤル気をだしていけるようになるんです。
「でも、我が家は4つの欲求満たしているのに子どもはダラダラしてて、いっこうに勉強にヤル気を出してくれません」
と言われる親御さんもいるかもしれませんね。
それはね『自己実現の欲求』とは、自分の内側から出てくる欲求なので、自分以外にはわかりにくいんです。
親から見ればダラダラしているようでも、子どもにとっては、それなりに頑張っているんです。
だからそれでいいんです。
少なくとも、家が安心できる居場所になっているのですから。
これが一番!
だから叱咤激励は必要なし!
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