岡山コミュニケーション研修講演企画・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
【子どもが落ち着いて過ごしているときに、注目して関わっていますか?】
これって、意外とできていないんですよ。
孫のひなちゃんへの毎日の関わり方を振り返ってみるとどうか?
泣いている時は「どうしたの?」って声をかけます。
穏やかに一人で楽しそうに手足をバタバタしているときも「楽しいねー!」って声をかけます。
このように穏やかでも泣いていても、常に注目しています。そうしなければ、赤ちゃんって思わぬことが起きる可能性がありますからね。
ところが、子どもが大ききなってからはどうですか?
孫のひなちゃんについてはこちら➡子育てカウンセラーいなっち先生夫婦の孫育て奮闘日記
子どもの問題行動に注目するから変わらない
ある団体で研修をさせていただいたとき、終了後に自分の子どものことで質問に来られたかたが次のようなことを言われました。
「うちの子どもは高校生で来年社会人になるんですが、すごくイライラしていることがときどきあるんです。どう関わればいいのでしょうか?」
話をいろいろと伺ってみると、こういうことでした。
・学校でイライラを出すことはないが、家では表現する
・すごくイライラするといっても、親に暴言を吐いたり、物に当たったりするわけではない
僕はこれらのことを聴いて、すごく健全な成長だと思ったので、こう言いました。
「お子さんはとっても健全で正常ですよ。家で自分の感情を素直に表現できるって、とっても大切なことです。逆に、外で感情表現して家で我慢するほうが危険ですから」
そして、子どもがイライラしているときの対応も伝えました。
「お子さんがイライラしているときは、気持ちを受け止めてあげるだけでいいですよ。『そうかあ、腹立ったんだね』って。気持ちに共感してやればいいと思います」
さらに、こんなことも聞きました。
「お子さんがイライラしているときには注目して『どうしたの?』って関わるでしょうけど、お子さんが穏やかに過ごせている時に注目して関わっていますか?もしかして、そういうときは関わってないんじゃないですか?」
するとそのかたは、ハッとした表情でこう言われました。
「あっ、そうですねー。穏やかに過ごせているときは、特に何も言わずに流しています」
こういうことは、よくあることなんです。だから、僕が伝えことは。
「お子さんはイライラすれば、『お母さんは自分へ注目してくれて心配してくれる』ということを、無意識に感じています。逆に、穏やかに過ごせているときに注目してもらえば、『穏やかに過ごす方がお母さんは注目してくれる』となり、だんだんと行動を変えるようになりますよ。時間はかかりますけどね。だから、お子さんが穏やかに過ごせている時に、楽しい話をしたりして心地よい過ごし方をしてみてはどうですか?」
質問に来られた方は、納得されたようでうれしそうに帰って行かれました。
行動の目的を考えれば悩みは解決できる
人の行動には、必ずといっていいほど『目的』があります。アドラー心理学でいえば『目的論』といいます。
・仕事をしながらイライラするのは、イライラすることで自分の大変さに注目してほしいという目的かも?
・落ち込むのは、悲しい表情をしていれば誰かから「大丈夫?」って心配してもらえるという目的かも?
・「自分が今こんな状態になったのは親のせいだ」と言うのも、親のせいにしておけば自分は傷つかなくて済むという目的かも?
・子どもに怒るのは、親としての存在意義を維持するための目的かも?
何かしら目的があるから行動しているのであって、原因があるから行動するのではないのです。
原因を考えたところで、今も未来も変えられません。それよりも、今から未来をより良く生きていくためにどうするかを考えた方がいいですよね?
子どもの行動を見ていて、何が目的なのかを考えてみるといいですよ。
さらに、自分の行動の目的も何なのかを考えてみましょう。
今抱えている悩みから脱出できる突破口が見つかるかもしれません。
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