怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
今しかできないことをやっておきましょう!
しつけに必死にならなくていいです!
乳幼児期に必要な課題は基本的信頼感
10月から12月にかけては、講演会の多いシーズン。
保育園や幼稚園の保護者対象への講演依頼も多くいただいています。
乳幼児を抱える親御さんへ伝えるときに、僕がつかっているモデルがあります。
それは、精神分析学者のエリクソン提唱の『ライフサイクルモデル』
乳児期【基本的信頼感】
幼児期【自律性】
児童期【自主性】
学童期【勤勉性】
思春期・青年期【自我同一性】
成人期【親密性】
壮年期【世代性】
老年期【人生・自我の統合】
【 】に書かれていることは、それぞれの時期に達成すべき課題なのです。
この課題を解決しておかないと、危機的な状況が訪れると言われています。
保育園や幼稚園に通うお子さんをお持ちの親御さんには、乳児期に形成される【基本的信頼感】の重要性を伝えているんですよね。
基本的信頼感は、母親との愛着形成がしっかりできることで達成されます。
愛着形成には抱っこをしっかりやっておく
愛着形成で大切なのが、スキンシップ。『抱っこ』がすごく効果的。
それを裏付ける内容が書かれたこの本『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田尊司 著 光文社新書。
この本には『抱っこ』の効果について、次のように書いてあります。
『抱っこからすべては始まる』
人は、生まれるとすぐに母親に抱きつき、つかまろうとする。
逆に言えば、育っていくためには、つかまり、体に触れ、安らうことができる存在が必要なのである。
そうしたことの重要性が知られていなかったころ、孤児となった子どもは、スキンシップの不足から食欲が低下し、衰弱死してしまうことが多かった。
子どもが成長していくうえで、母が抱っこすることは、乳を与えることと同じくらい重要なのである。
いくら栄養を与えても、抱っこが不足すれば、子どもはうまく育たない。
抱っこをし、体を接触させることは、子どもの安心の原点であり、愛着もそこから育っていく。抱っこをすることで、子どもから母親に対する愛着が生まれるだけでなく、母親から子どもに対する愛着も強化されていく。
抱っこという実に原始的な行為が、子どもが健全な成長を遂げるうえで非常に重要なのである。
それは、子どもに心理的な影響だけでなく、生理的な影響さえ及ぼす。
子どもの成長を促す成長ホルモンや神経成長因子、免疫力を高める物質、さらには、心の安定に寄与する神経ホルモンや神経伝達物質の分泌を活発にするのである。
抱っこは、スキンシップという面と、「支え、守る」という面が合わさった行動である。
よく抱っこされた子は、甘えん坊で一見弱々しく見えて、実のところ、強くたくましく育つ。その影響は、大人になってからも持続するほどである。
この本のはじめに書かれているのですが、
人間が幸福に生きていくうえで、もっとも大切なもの、それは安定した愛着である。
愛着とは、人と人との絆を結ぶ能力であり、人格のもっとも土台の部分を形造っている。
以上のように書かれています。
その一番の原点が、乳幼児期の母親との関わりなんですよね。
ですから、子どもが小さいうちは、しっかり『抱っこ』をしてやってほしいのです。
しつけは、後からで十分身についていきます。
でも、『抱っこ』は後からでは、させてもらえなくなりますよ。
子どもが思春期になってからは、『抱っこ』したくても嫌がられますから。
子どもが小さいときは大変なことも多いですが、「今しかできない貴重な時間」と思って、子育てしてくださいね。
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