教師の体罰は減らせる?子供を指導していることの勘違い
怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師
いなっち先生こと稲田尚久です。
また体罰のニュース。
横浜市立小学校46歳男性教諭。
5年生男児へ体罰。
・繰り返し注意した児童の背中をたたく
・口ごもる児童へ「早く言いなさい」と言ってひざ下を蹴る
神奈川県藤沢市立小学校60代女性教諭。
1年生男児へ体罰。
・片付けの指示に従わない児童の頭を拳で叩き、頭部打撲で一週間の安静が必要
・他の児童4人も拳や平手で叩かれる
子どもは教師より弱い存在と思っているから体罰をする
教師と児童は、大人と子供という立場。
明らかに大人のほうが力が強い。
拳だろうが、平手だろうが、大人が力を込めれば子どもにとってはダメージが大きいです。
もし、子どもが教師より体格も大きくて力もあったら、体罰をするでしょうか?
きっとやらないと思いますよ。
体罰の一番の問題は、自分よりも弱いと分かっているから暴力を使うということ。
教師は、子どもより偉い。
教師は上で、子どもは下。
きっと根底にあるのは、子どもの人権を考えていない意識。
子どもを指導することと教師の言うことを聞かせることは違う
教師は指導をします。
しかし、指導という言葉を自分の都合のいいように使っている人もいるんじゃないかと思うのです。
言うことを聞かせることが指導という教師。
こういうタイプの教師は、威圧的な態度や言葉で子供に圧力をかけることで指導をするんですよね。
だから、物腰柔らかな教師に対して
「先生、もっとビシッと指導してください」
といったことを言います。
ビシバシ高圧的な指導する先生ばかりいたら、子どもたちはどうでしょう?
毎日緊張の連続で、心身ともに疲れ切ってしまいますよね。
教師も人間だからいろんなタイプがいたほうがいい
学校というところは、いろんな教師がいるからいいんです。
ガツーンと言ってくれる先生。
子どもの話を聞いてくれる先生。
笑顔で癒してくれる先生。
一緒に悩んでくれる先生。
それぞれの先生の個性が合わさるからいいんですよね。
僕もいろんな先生と関わってきましたが、教師がお互いの個性を認め合っている職員集団であれば、子どもたちにもそれが伝わっていましたね。
子どもの集団も良い雰囲気になります。
子どもをコントロールする教師は指導力がない
今回の体罰ニュース。
どんなに事件になろうとも、教育委員会から指導が入って研修をしようとも、なくなりません。
それはなぜか?
体罰をすることに対して、問題意識をもっていないから。
子どもの指導は、子どもをコントロールできることと信じている。
こういった教師は次のような考えがあります。
・教師が言うことは正しい。
・子どもを変えることは教師の使命だ。
・教師の言うとおりにしなければ、正しいことをさせなければいけない。
・そのためには、どんなことをしてでも子どもへ正しいことをさせる。
これは、教師の自己中心的な考えで、本当の指導力ではないです。
教師の意識改革は一方的にやっても変わらない
教師の不祥事が起きるたびに、教育委員会からは研修の指示がきます。
そこで管理職からは不祥事に対する研修の時間をとるようにと言われます。
僕が研修担当していた時もありました。
「稲田先生、悪いけど来週の校内研修のとき、ちょっと時間取ってもらえる?」
管理職から言われて時間をとっていました。
でも、そういうやらされ感満載の研修って、あまり効果がないんです。
こうすれば絶対にいいという方法はいえませんが、本当に体罰や不祥事をなくすためには、個々の教師が抱えている悩みや問題を自分からさらけ出せる体制が必要ではないかと思います。
学校へスクールカウンセラーは、だんだん配置されてはいますが、まだまだ不足しています。
子どもへのフォロー、親へのフォロー、それだけで手一杯。
教師へのフォローは、まだまだだなあって感じるんですよね。
体罰はダメ!
これを言うだけでは変わらない。
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