岡山コミュニケーション研修講演企画・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
前回のブログ、親の正論アドバイスは必要ない!子供の気持ちを察する大切さで、親の正論やアドバイスをしないほうがいいといったことをお伝えしました。
中学校3年生のお子さんがいらっしゃる親にとっては、「受験勉強もせずダラダラして過ごしている子どもへ、何も言わずに見守っているなんて、とてもじゃないけど無理無理!」と言いたい方もおおいことでしょうね。
親は子どもの課題へ足を突っ込んではいけない
・宿題をせずにダラダラ過ごしている
・やるべきことを後回しにして好きなことをしている
我が子のこういった姿を見ると、イライラ、ソワソワ、モヤモヤと怒りや不安などが沸き起こってくるのは、受験生を抱える親だけでなく、小学生から高校生までのお子さんを抱えている親には「あるある」って思えることかもしれませんよね。
前回に書いているように、「わかりきったことを言われたくない」というのは、子どもも親も同じです。
「宿題しなきゃいけない」「受験勉強しなきゃいけない」「お風呂に入らなきゃいけない」「片付けしなきゃいけない」
こんなことは、わかりきっているんです。でも今はそれをしたくないんです。
それなのに、「いい加減にやりなさい!」「そんなことだったらスマホ取り上げるぞ!」「今月のお小遣いは無しだ!」と、大声を張り上げて脅しまがいなことをして、無理やり子どもにさせて効果はあると思いますか?
きっと多くの親は「効果はない」と、わかっているはずです。なのに、ついつい毎回同じことを言っていたり、同じ言い方や表現の仕方しかやっていないのではないでしょうか?
宿題をすることも受験勉強することも、それは子どものするべき課題です。親が肩代わりできるはずないですもんね。
他人のするべき課題へ足を突っ込んでコントロールしようとするのって、すごく相手に対して失礼なことで、相手の人格や気持ちを尊重していない行為だと思います。
親の思考や行為をコントロールできるようする
親の課題は『子どもをコントロールする』のではなく、親自身の『思考や行為をコントロール』することなんですよ。
出典:選択理論心理学より
この図は僕が学んだ選択理論心理学で使われる図です。以前のブログでもお伝えしたことがありますが、覚えていますか?
どういうことか説明しますね。
子どもが宿題せずにダラダラしている姿を見ました。
①怒りの感情が沸き起こります。
②怒りの感情と同時に生理反応が起き、ドキドキと心臓の鼓動が速くなり頭に血が上ります。
③「ダラダラばかりして、どうしようもない子だ!」と思考をする。
④「いい加減に宿題しなさい!」と怒って伝える行為となる。
②までは、瞬間的なことで自分でコントロールが難しい部分ですが、③と④は自動車でいえばハンドルの部分で、自分でハンドルを切ってコントロールするように、自分の思考と行為は自分でコントロールできます。
ただし、これにはトレーニングが必要です。特に『思考』の部分を変えていく必要があります。
子どもがダラダラしているという出来事は、すでに起きてしまったことです。
起きてしまった出来事をどう捉えるかは、自分が決めてやっていること。子どもが宿題せずにダラダラしていたら、あなたはどんな捉え方ができますか?
「ダラダラばかりして、どうしようもない子だ!」
「疲れて帰ってくれば、ダラダラしたくもなるだろう」
「家がダラダラできるのは、安心な家庭を提供できている証拠かも」
捉え方をいろんな方向から考えていくことで思考の幅が広がりますよ。そうすれば次の『行為』も『怒る』ということ以外の手段も見つかるはずです。
こうやってトレーニングしていくことで、子どもをコントロールするのではなく、親自身の思考や行為をコントロールできるように変わっていくんです。
受験生を抱える親であれば、これからの時期に親ができることと言えば、暖かい部屋と温かい飲み物を提供することだったり、受験の手続きなどの事務的なことや金銭的な準備くらいでしょう。
それが抜かりなくできていれば、もう充分ですよ。
そして、子どものほうから相談してきた時、いつでも聴いてやれる態勢を整えておくことですね。
子どもが「ヘルプ」を素直に出せる親子関係づくりこそ、親のすべき課題だと思います。
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