岡山コミュニケーション研修講演企画・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
孫育て奮闘日記は出産準備で困った!ババの赤ちゃん迎える物品購入ということで、今回は妻が初めて書いていますのでご覧くださいね。
そこで、今回は涙なくしては語れない、妻の子育ての思い出についてです。
妻が子育てで困っていた時の恩人に偶然出会った
以前住んでいた津山市の家の近くに『神楽尾城跡』という中世の山城跡があります。標高380mの頂上に本丸があったそうで、その本丸跡へ登れば360°の見事な見晴らし。
当時そこへ運動がてらトレイルランニングのつもりで登ったときのこと。
さすがに登りは急坂も多くて途中からは歩きましたが、下りは小走りで降りていると・・・。
二人のご年配女性が目の前を歩いていました。走ってきた僕に気づいて道を譲ろうとこちらを振り返ったとき、僕は気づいたんです。18年前、凄くお世話になった近所の方だと。
「あっ!Nさん。稲田です!ご無沙汰してます」と声をかけると「まあ!お久しぶり。元気にされとったん?」と話が一気に盛り上がりました。
実は声をかけたNさんは、我が家が以前住んでいたところの裏のお宅。
僕たち夫婦は結婚後、津山市に住み、同じ市内で2回引っ越しをしているんですよ。
当時、我が家は長男5歳、次男2歳、長女2か月。妻は専業主婦で一人で子育てに終われる日々。
以前妻が、当時のことをブログに書いてくれていたので紹介しますね。
私は子どもの頃から「自分のことは自分でやるべき」「他人に迷惑をかけてはいけない」を強くすりこまれた気がします。
一見正しいことのように思えますが、実際やってみると結構苦しい生き方になります。
長男が幼稚園の年中さんだった年の冬。雪が降ることもあり、とても寒い朝なのに、当時2歳の次男と生後2か月の長女を引き連れて長男を幼稚園に送っていました。
次男は喘息があり、長女はまだ首もすわりきっていなかったので、かわいそうな気持ちでいました。自分自身も体がしんどかったです。
そんな時、ご近所の当時60代の女性(Nさん)が「朝は赤ちゃんが寒かろう。朝は私が預かろうか」と声をかけてくださいました。
「自分の親でもない人に、そんなご迷惑をおかけしてはいけないのでは」と思いましたが、寒さもだんだん厳しくなり、長女は首が安定しておらず、両手で抱っこなので次男が歩く時に手を差し伸べることも出来ない。助けてもらわなければ、子どもたちが困ってしまう状態でした。
だから「自分のことは自分でやるべき」「他人に迷惑をかけてはいけない」を恐る恐る手放して、Nさんの好意に甘えてみることにしました。
Nさんは2階建ての一戸建てにお住まいだったので、てっきりお子さんは独立してご主人と二人暮らしだと思っていたら、
「子どもが5歳の時に病死して、まもなく主人も死んだのよ。だからそれ以来ずっと一人で暮らしているの。だから私でも役に立てると思うわ」と言われました。
私はその晩、子どもを寝かしつけながらNさんの言葉を思い出して、涙が出ました。
毎朝、長女を預かってもらったおかげで、幼稚園の送りに行って、次男を少し園庭で遊ばせることもできました。
預かってもらった長女の髪から、ほんのり線香の香りがしました。ご主人とお子さんへのお線香でしょう。
私は自分の母親からは「世間は厳しいものだ」と教えられてきましたが、その香りを感じながら「世間はけっこう温かいものだなあ」と思ったものです。
私は元々人に甘えるのは苦手ですが、人は助けられながら生きて行った方が心が豊かになると、実感しました。
いまスクールカウンセラーとして勤務していますが、私のところに相談に来られる方々は、助けを求められる相手が周りに見当たらないことが多いです。
ですが、広く見渡せば必ず温かい助けが見つかるので、どうか自分一人で頑張らないようにしてくださいね。
お母さん!子育ては自分一人で頑張らなくていいですよ
結婚するまで愛知県の自宅から出て生活したことのない妻。僕との結婚で知り合いもいない見知らぬ土地での生活なのに、結婚と同時に子育てが始まるという過酷な状況。
妻の書いたブログを読むと、涙が出そうです。それは、Nさんの優しさに対して。妻が一人で苦労していたことに対して。当時の妻の気持ちに気づけていなかったことに対して・・・。
妻を救ってくれたNさんには、本当にありがたかったです。そして今、一人で悩まれているお母さんにこのブログが少しでもお役に立てればうれしいです。
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