怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
今年も多くの子育て講演をさせていただき、また児童・生徒対象のアンガーマネジメント講演もたくさんさせていただくことができました。
いろんな先生ともお話をする機会が多く、そのたびに思うことがあるんです。
それは「やっぱり、親の関わりが子どもを左右するなあ」ってこと。
そこには、親の『こうあるべき』が大きな影響を与えているんですよね。
子どもへ求める要求基準を親は下げておく
先日講演させていただいた、津山市立広野小学校保護者のかたの感想に、『こうあるべき』について大切なことに気づかれたものがあったので紹介します。
べき、べき、べき・・・、子どもののためと思って言っているつもりが、実は違っていたということに気づけました。
自分の体裁の為だったのかなあと。
子どもも一人の人間だし、尊重して、受け入れてあげることが必要だということ。
今、中1の娘がいますが、テストや成績のことで「上を目指せ、上を目指せ」と言い過ぎたかなあと後悔しているところなので、息抜きできるところを作ってあげて、自分の意見ばかり押しつけないよう、気をつけようと思いました。
短所ばかりをとらえず、努力に注目することの大切さを知ったので、子どもの見方を変え、いいところを探してあげようと思いました。
そうそう!そうなんですよ!
子どもへ親の『こうあるべき』を求めすぎると、どんどん子どもへの要求は増えるし、子どもはその要求へ応えられることばかりじゃないから、子どもも不安定になります。
さらに親は、要求に応えられない子どもを見てさらにイライラして怒るという悪循環。
それに気づけることが大事で、こうやって講演をきっかけに気づいていただけると僕もすごく嬉しいです!
子どもは見通しを立てるのが苦手だと思って接したほうがいい
このお母さんが書かれているように、「上を目指せ」とか「もっと頑張れる」といった、本来それは自分で決めてどうするかということなのに、親が先走って求めていってしまうのは危険です。
子どもの頃から、スポーツや習い事または中学校受験をしている子どもの親にこういった傾向がたまに見られます。
最初は、親のちょっとした声掛けで「やってみたらどう?」ってことだったり、友だちがやっているから自分もやってみたいという軽いきっかけだったりします。
ところが、いざやり始めると親のほうが本気になって「もっともっと」ってことになりがち。
親は子どもの活躍が嬉しいですもんね。それ自体は間違った気持ちじゃないです。
でもそれが、親が成し遂げることができなかったことを託したり、親が成し遂げたレベルを求めたりといったことになるから、子どもが苦しんでしまうわけですね。
僕の世代だったらわかると思いますが、マンガ『巨人の星』の主人公の星飛雄馬の父、星一徹が子どもへスパルタで野球を教えていたようなもんです。
飛雄馬はグレルことなく、父親と同じ夢を追いかけて見事に野球選手として活躍できました。
確かに「同じ目標」「確かな信頼関係」が親子の間にあるならば、厳しく怒鳴り上げても大丈夫なのでしょうが、現実は意識のズレがあることの方が多いですからね。
習い事、スポーツ、塾・・・、子どもは最初は自分から「やる!」っていうことが多いです。
けれど、そもそも子どもって、先のことよりその場の感覚で発言し、そのときには、「続けられるだろう」とか「とにかくやりたい」って思うもの。
その最たる例が、ゲームやスマホを買うとき。
「絶対に時間の約束守るから」って言っておきながら、いざ買ってしまえば、どんどん決まりが守れなくなっていく。
こういうことって、ありがちじゃないですか?
子どもは『先のことよりも、今、この時を生きている』って、思っておくようにしたほうがいいです。
そうじゃなきゃ、親の『こうあるべき』と子どもの現実とで、大きなギャップにイライラするばかり。
子どもへ求める『べき』を、一度見直してみてくださいね。
「子どもだったら、こんなことあるだろう」って、想定内にしておくことですよ。
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