怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
4月9日に見たNHK朝ドラ『なつぞら』で、またまた深~いセリフを発見!
4月5日のブログ子供は親に気を遣って無理をする!朝ドラに子育てのヒントありに引き続き、今回も『なつぞら』から子育てについて大切なことを考えてみますね。
自分の幸せを守るために怒れるのは幸せな証拠
主人公の『なつ』は、東京に残った兄に会いたくて引き取られた家からこっそり家出をします。
『なつ』を探している途中、戦死した『なつ』の父と戦友だった剛男が戦争孤児となった彼女とその兄に東京で出会った時のことを話します。
それを聞いた剛男の妻である富士子はこう言います。
「あの子は、さぞかし怒ってるでしょうね。大人らにあっちに行かされ、こっちに行かされて」
そして、富士子の父である頑固爺さんの泰樹が言った言葉が深かったんです。
怒りなんてういうのは、とっくに通り越しとるよ。
怒る前にあの子はあきらめとる。あきらめるしかなかったんだ。
それしか、生きるすべがなかったんじゃ。あの年で。
怒れる者はまだ幸せだ。
自分の幸せを守るために人は怒る。
今のあの子にはそれもない。
争いごとを嫌って、あの子は怒ることができなくなった。
あの子の望みは、ただ生きる場所を得ることじゃ
人は『怒る』を通り越すと、『あきらめる』という気持ちになります。
マイナスな言葉や気持ちに蓋をし続けると、今度は本当の自分の気持ちを表現できなくなってしまいます。
また、我慢し続けていることすら気づかず抑圧したままでいるために、その抑圧した気持ちを自分へぶつけて自分を責める癖が身につくとか、逆に人にぶつけたり、または親になれば自分の子どもへぶつけるといった影響が出てくるのです。
子どもは気持ちを我慢するより表現できるほうが安心
しかし、自分の子どもへぶつけていることに気づかない人のほうが多いかもしれません。
なぜなら、自分を抑圧してきたということは、自分ですごく頑張ってきたことだから。
ということは、それを否定すれば今までの自分の頑張ってきたことは無駄だったことになり自分を否定することになりますからね。
自分の中では、「正しかったんだ!」って信じたいんです。
「俺はこんなに努力して苦しいことも我慢強く乗り越えてきた。だから、お前だってこれくらいのことで泣き言をいうんじゃない!」
「私は親から厳しくしてもらったおかげで難関大学にも行けた。だから、あなただってできるはず。もっとがんばりなさい!」
こうやって、自分を抑圧してきたことに気づかず、自分の子どもへ無意識にぶつけてしまうわけです。
子どもが中学生になってから、だんだんと口数が減ったとか、ぶっきらぼうになったとか、挙句の果てには
「ムカつくなあ」「腹立つ」「ほっといてくれ」「ウザいわ」「うっとしいなあ」と、生意気なこと言われて、我が子に腹が立ったなんてこともあるかもしれませんね。
でも子どもがこんな言葉を親へ言えるのは、実はとっても正常なことで自分の正直な気持ちを表現できているんですよね。
『なつ』がドラマですが、子どもの頃から怒ることもできず、あきらめたまま成長していくことは危険です。
子どもが家に帰って、自然体で過ごせているとか、素直な感情表現できているなら大丈夫!
健全な成長しているって、喜んでくださいね。
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