こんにちは。いなっちです。
みなさん、すでにご存じの方も多いかと思いますが、次のようなニュースがありました。
静岡県内の総合病院の男性医師が、ブラジル人患者の家族に「クソ、死ね」などと罵倒し、病院側は不適切な言動があったことを認め、病院長が男性医師を厳重注意し、家族へ謝罪。
このブラジル人家族の少女は、太ももなどに赤い腫れものがたくさんできており、夜間にその病院の救急外来で診療を受け、心配なので入院させて欲しかったそうです。
当直医だった男性医師が診察し、ウィルス性の紫斑病で緊急を要しないと判断、付き添いの父親に診察時間内に来るよう指示したそうですが、父親は納得せずに口論となり、その中で男性医師が「死ね」などと発言したようです。
男性医師は「片言の日本語でコミュニケーションがうまく取れず、腹が立ってつぶやいてしまった」などと話しているそうです。
さて、アンガーマネジメントの視点で今回のニュースを見てみましょう。
まず、男性医師の「死ね」発言。
これは、どんな状況だろうと言ってはいけない。
医師としてもちろん、人としていけません。
昨日のブログで書いた
☆6秒待つ。
カチンときて6秒待てず、感情にまかせて言ってしまったわけです。
では、「死ね」となぜ言ってしまったのか?その背景には、次のようなことが考えられます。
☆心の器にマイナス感情が溜まっていた
救急当直医の勤務は過酷です。
我が家も、こどもが小さい頃は喘息の発作や突然のケガで何度かお世話になりました。
夜中の病院は、さまざまな状況の患者さんが運び込まれてきます。
これを少ない医師と看護師で対応することは、ものすごく大変なことです。
・常に命を扱うことがとてもプレッシャーであり、精神的負担大きい。
・時間をかけず、正確な判断を問われるストレス。
・患者から厳しい言葉をかけられると、つらい。
・次から次へと運び込まれる患者の処置に疲れた。
・とにかく忙しい。他にも急を要する患者がいる。
といった、マイナス感情が溜まりに溜まった上に、緊急を要しない症状だと言うことがうまく伝わらないむなしさ・イライラ。
これらが、あふれ出して感情的な発言となったと思われます。
また、少女の父親も同じように、心の器へマイナス感情が溜まっていたと思われます。
・原因のわからない症状で不安。
・言葉がうまく通じない不安・悲しみ。
・外国人ということで差別を受けているのではないかという不安。
・本当に帰っても大丈夫なのかという不安。
そして、医師と父親の考えの違いもあったんでしょうね。
☆両方の『べき』に大きなズレ。
医師:救急を要しない患者は、救急外来へ来るべきでない。
父親:医者は患者の要望に答えるべき。
お互いの『べき』のズレが大きいほど怒りへと発展します。
さらに、2人のやりとりの中で
父親:「酷い問題だったら、どうする?」
医師:「じゃあ、訴えて下さい。そのときは、裁判で訴えて!」
と、まさにアンガーマネジメントでやってはいけない『売り言葉に買い言葉』。
そのやりとりの間も、医師は両手をポケットに入れて、イライラした様子でした。
このように、男性医師は怒りのコントロールができなかったために、動画サイトへ投稿され、医師としての信用を落とす大変な騒動へ発展してしまったわけです。
今回のニュース。医師の気持ちも父親の気持ちも両方理解できます。
怒る必要のあることと必要のないことを仕分けするのが、アンガーマネジメント。
ストレスの溜まりやすい仕事ほど必要性を強く感じたのでした。
怒りで信用を失う前に、アンガーマネジメントを学びましょう。
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イラッとしない思考術 (2014/11/26) 安藤 俊介 |
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