岡山コミュニケーション研修講演企画・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
自分の言いたいことばかり伝えていませんか?
子どもの言いたいことを言わせていますか?
子どもの言いたいことを無視していませんか?
あなたの子どもが学校から帰宅した時「今日の給食はウグイスパンが出たんよ。」と言いました。どう答えますか?
ちなみに、『ウグイスパン』とは、『ウグイスきな粉揚げパン』とか『きな粉パン』とも言いまして、揚げたコッペパンの表面に甘いきな粉をまぶしたパンです。今回は親子とも、このパンのことを知っているうえで考えてみてくださいね。
①「へえ~、ウグイスパンが!?」
②「残さず食べられた?」
③「おいしかった?」
④「きな粉が手について、食べにくかったでしょう?」
⑤「私はウグイスパン大好きだったから、給食に出たときは大喜びだったよ。」
いかがでしょうか?
①を選んだあなたは、相手の言いたいことを引き出し、会話を円滑に進められることができます。
②③を選んだあなたは、子どものことに関心を持っているのではなく、自分の興味のあることを質問しています。
それが、子どもが話したい内容であれば問題はないでしょうが、子どもが一番伝えたいことではない可能性もあります。
自分の興味あることを知りたいがために質問してしまうのは、話す側からすれば迷惑なことですよね。
④を選んだあなたは、自分の価値観や判断基準を決めつけて伝えてしまっています。
食べにくかったかどうかは、食べた本人にしかわからないこと。それを自分の判断で決めてしまうのはおかしいですよね。
⑤を選んだあなたは、自分の経験談を一方的に伝えています。相手はあなたの経験談を聞きたくて、話を始めたわけじゃないですよね。
このタイプの人は、聞きたいと言われてもないのにどんどん自分の経験談を話し続けてしまう傾向があります。相手のことを考えず、自分の言いたいことを優先してしまう『会話ハッカー』です。
ズバリ言わせてもらえば、一番やっかいなタイプですよ。
②③④が、絶対にいけないわけじゃないんです。質問したことと同じことを感じていたのであれば、「そうそう。ウグイスパンって手についてさあ・・・」と、会話は盛り上がりますからね。
ただし、必ずそうなるとはかぎりません。だからリスクが高いのです。
その上、親自身の価値観で判断しているので、子どもの価値観を否定してしまう可能性も出てきます。
子どもの言いたいことを評価や否定しない
では、①「へえ~、ウグイスパンが!?」が、なぜ良いのでしょう?
子「今日の給食はウグイスパンが出たんよ。」
親「へえ~、ウグイスパンが!?」
子「すごいおいしかったよ。友達は食べにくいからって残したから、僕はそれももらえてラッキーだった。」
といったように、会話が広がっていく可能性があります。もちろん、そうじゃないことだってありますよ。
でも少なくとも、子どもの言ったことに対して、評価もしていませんし否定もしていません。
相手の言いたいことがはっきりしないことに対しては、今回のようにまずは『あいづち』を打って『オウム返し』だけで充分です。
あいづちとは?
「へえー」「ふーん」「ほー」といったことです。
オウム返しとは?
相手の言った言葉をもう一度繰り返して伝えることです。
「ウグイスパンが出たんよ。」であれば、「ウグイスパンが!?」とか「ウグイスパンが出たんだ!?」ということです。
これって、すごくシンプルで誰でもできる対応じゃないですか?
それなのに、親は子どもに対して②③④のような、難しい対応ばかりしがちなんです。
そしてもっと厄介なのが、⑤のような自分のことばかり伝えてしまっているのに、気づいていないというパターン。
子どもが聴きたいことであれば、親の経験談はすごく活きてきますが、聴きたくもないのに一方的に言われるのは、雑音以外の何ものでもないと思いますよ。
今回は親の立場で書きましたが、来週は高校生へこういった話を含めたコミュニケーション力アップの講演をさせていただきます。
それも、僕の母校である岡山県立勝山高等学校の全校生徒の皆さんへ。すごく楽しみです!
アンガーマネジメント、コミュニケーション、子育て
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