怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
過剰に『ほめる』のも、過剰に『叱る』のも同じこと。
親の期待に応える子どもを育てていませんか?
ほめるも叱るも過剰にするのは禁物
前回のブログ受験生が嫌がる親の関わり方!子どもの甘えに応える大切さでは、子どもの要求に応えることの大切さについて書きました。
ところが親は、子どもが親の要求に応えられることが『いい子』と決めてしまいがち。
『ほめる』も『叱る』も、子どもを親の理想に近づけたり、親の思い通りにさせようとするために使っていませんか?
もしそうであれば、今すぐやめましょう!
僕の大好きな児童精神科医の佐々木正美先生の著書『「ほめ方」「叱り方」「しつけ方」に悩んだら読む本』(PHP研究所)に、とても大切なことが書かれていたので紹介します。
自分が望むような子になってほしいとは、だれしも思うこと。
しかし、その程度や内容が大切なのです、
親の自己愛的な感情に合わせて、ほめたり叱ったりしては、子どもがかわいそうです。
親にしろ教師にしろ、大人はみな、子どもに対して期待をするものです。
それが愛情でもあります。
しかし、「過剰なほめ」と同様に、「過剰な期待」も子どもにストレスを与えます。
子どもの資質や能力、そのときの状況や場面などによっても異なりますが、残念ながら、過剰な部分が、子どもに対する思いやりや愛情として伝わることはありません。
子育てに関する講演をした後にいただく感想を拝見するたびに、子育ての方法で迷ったり、悩んでいる親御さんって多いなあって感じます。
今は、子育て情報がネットからあふれすぎていて、本当に大切な子どもへの関わり方がわからないかもしれません。
さらに、ネットでも本でも、『◯◯すれば』『◯◯できるようになる』・・・、こんなキャッチフレーズで、子育てを方程式のように当てはめてやれば、成功するようなタイトルがあふれてます。(そういう僕も、ブログタイトルで似たようなものもあるかもしれませんね)
ほめるよりも感謝と喜びを子どもへ伝える
特に『ほめる』と『叱る』は、すごく注目されているキーワード。
どちらも正反対の対極に置かれがちですが、実は同じ目的で親は使っていることが多いんです。
その目的とは?
『親の思い通りにしたい』という、親の自己愛を満たすためなんですよ。
佐々木正美先生も本の中で、「ほめる」と「叱る」について、次のように書かれています。
「過剰にほめる」のと「過剰に叱る」のは同じことで、反対のことではありません。
結局のところ、子どもをコントロールしたいとか、親のコントロール下に置いておくために、『ほめる』『叱る』を使って親が自分を満足させてしまっているわけなのです。
もちろん、ほめることも叱ることも大切なことです。
でも『ほめる』ときというのは、何かができたときじゃないとなかなか伝えられませんよね。
そのときの基準は、親の理想とする基準があるから、親が当たり前と思っていることに対してはスルーしてしまいがち。
例えば、中学生の子どもに「茶碗を流し台へ運べて、えらいねー!」なんて言いませんよね?
子どもだって「バカにしてんのか!?」って思いますから。
ちなみに僕は妻から「お皿持って来てエライね~」と言われます。
妻から「下に思われた!」と感じますが、若い頃は食べっぱなしが多かったのでしかたないか・・。
どうすれば、もっと簡単に子どもへ伝えられるのか?すごく簡単な方法があるんです。
それは、『感謝』と『喜び』を子どもへ伝えるということ。
「運んでくれてありがとう」とか「助かるわー」ならば、子ども違和感を感じないですし、自分のやったことを認めてもらっているので、まんざらでもないです。
「ありがとう」「助かる」「うれしい」
こういった言葉を当たり前に言うだけで、僕が充分だと思います。
過剰に『ほめる』『叱る』から、自然に『感謝』『喜び』を伝えるに変えてみてはいかがでしょうか?
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