怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
僕の教え子から先日こんなメッセージが来ました。
この度ご連絡させていただきましたのは、小学校の教員採用試験に合格しまして、春から先生として働くことが決まりました。
稲田先生やたくさんの先生に恵まれて先生を目指すことができました。
ご一緒に働くことは叶わないかもしれませんが、次は先生としてお会いできる日を心待ちにしています。
こんなに嬉しい報告はありません。教師冥利に尽きます。
これから夢を抱いて、子ども達のために働いてくれると思うと応援したくなりますね。
ところが、夢を打ち砕く、開いた口が塞がらない悲しいニュースが世間をにぎわせています。
神戸市立東須磨小学校での教師間でのハラスメントやいじめ。
教育現場にあるまじき教師間いじめ
マスコミの報道だけでしか判断できないので真相はわかりませんが、これが事実であれば断じて許されない!
ここまで酷い話は聞いたことがないですが、学校内での職員間の力関係による変な雰囲気が生まれることも時にはあります。
・発言力のある先生へ意見を言いづらい、言えば嫌な顔をされる。
・会議で反対意見を言ったら、それ以降挨拶しても無視される。
・朝から機嫌が悪い表情で職員室へ入って、声かけるんじゃねーよ的なオーラを放っている。
・若い先生を自分の舎弟のように扱う。
ちなみにこれらは、僕が経験したこともあれば、僕以外の先生から聞いた話も含まれていますので。
さて東須磨小学校の校長先生は「職員室内の人間関係が課題だと思っていた」と会見で話されていました。
さらには、職員会議などで注意喚起を繰り返したけれども変わらなかったとのこと。
これって、子ども達の中でいじめが発覚した時、先生が子ども達へ「いじめはいけません!」と注意しても全然収まらないどころか、さらに悪化していくパターンと似てますよね。
僕も経験ありますが、教員一人の力ではいじめを解決するのはとても難しいですから、学年全体そして学校全体で教師間で情報共有しながら、いろんな先生に助けてもらいました。
ところが今回の場合は子どもではなく教師間。
「困っているんです。みんなで解決していきましょう!」ってことにもなりにくい。
そのうえ校長なので、相談できるところは教育委員会。
でも教育委員会は、いつもその現場を見に来れるわけではないですし、状況を見に来たところで加害側の先生はその日だけ大人しくしているでしょう。
校長や教育委員会が謝罪されていましたが、僕からすれば「本当にお気の毒」だと思います。
子どもの心のケアを最優先してほしい
また、校長は3月まで同校の教頭で、この4月にそのまま校長へ昇進したとのこと。
前任の校長のときから教師間いじめはあったそうですから、ということは、現校長もある程度は把握していたはず。
それならばその当時に、管理職どうしで前校長と解決へ向けて話し合っていかなければいけないですが、「前校長ときちんと共有できていなかった」と会見で言ってました。
これもたまにあるのですが、校長が独裁者的なタイプで教頭の意見を受け入れなかったり、教頭と仲が悪かったり、慎重すぎて動けなかったりといったことがあると、管理職同士の情報共有や対策の検討が立ち遅れになってしまいます。
さらにあくまでもマスコミ情報ですが、今回の加害者4人の中に、前校長と仲が良かった教師もいるようです。
もしかすると、前校長と加害者たちが学校内で大きな影響力を持っていたかもしれません。
これって、子ども達のいじめの構図と全く同じ。
いじめはダメだと指導する側が、このようなことをしていたことに元教師として大変ショックです。
こういったことが世間をにぎわせてしまうと、これから教職を目指す若者の夢をぶち壊してしまいます。
こんな先生ばかりじゃない。こんな先生はごく一部でだって、一生懸命に子どもへ向き合ってくれている先生がほとんどですよ。
そして一番心配なのは、子ども達。
自分に勉強を教えてくれている、または教えてくれた、その先生が突然学校に来なくなり、連日マスコミに取り上げられ、いじめの加害者だったり被害者だったということを知った時、どんな気持ちになるのでしょうか?
まずは子ども達の心のケアを一番に対応していただきたいと、心から願っています。
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