怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
最近は『叱る』について書いてきました。
叱ることに悪いイメージがあるかもしれませんが、言うべきことは言わなくてはいけないときもありますよね。
ところが、企業研修などしていると、「部下を叱れない」「部下を叱ったら、会社を休まれた」「叱るとパワハラと言われる」といった話を聞くことがあります。
そうなると「叱り方がわからない」「叱るのが苦手」という、悪循環になってしまうんですよね。
子供や部下に言うことを聞かせる気持ちが強すぎる
そもそも『叱る』=『強く言う』とか『ビシッと言う』とか『威厳を見せる』といった、イメージが強すぎるんですよ。
ハードルを上げすぎてるんです。
『叱る』というのは、『注意する』ことです。
子どもが、急に道路を渡ろうとしたら、「ダメ―!止まりなさい!」っていいますよね?
それはやってはいけないってときに、気軽に使うコミュニケーションの一つなんですよ。
叱ることの目的は、相手に叱った意味を理解してもらい、自発的に動けるようになってもらえるようになることです。
そのためには、相手に受け入れてもらえる『言葉』と『態度』が必要になってきます。
叱って失敗する人は、相手に言うことを聞かせようという気持ちが強すぎるんじゃないでしょうか?
・不必要な大声を出す
・威圧的な怖い顔する
・「おどりゃー!」「われー!」と巻き舌で恫喝
こんなに力を込めて伝えているんだから、相手は言うことを聞くはずと思うんです。
ところが、言われる側になってみれば、威圧的なので恐怖感や嫌悪感の方が強くなります。
・その場では言うことを聞く
・顔色をうかがうだけ
こういった、自発的な行動とは程遠い、受け身な行動になっちゃうんですよね。
叱るタイミングは行為を止めるだけでいい
叱り方のタイミングを逃してしまうという人もいますよね。
そういう人は、叱った後のことを考えすぎるんですよ。
僕も経験ありますが、タイミングを逃して、あとで叱ったら
「あのときは先生許したのに、なんで今はダメなん?」
って、子どもから問い詰められて、タジタジになったことがあります。
とりあえず、子どもや部下を見ていて、自分が「うん?」とか「えっ?」とか「それはやっちゃだめだろう」と思ったときが、叱るタイミング。
いったんその行為を止めればいいんです。
「ちょっと、待って!」
これでいいんです。いったん止めた後、伝えたいことを考えて言えばいいんです。
ただし、「もういいかげんにしろ!」とか「お母さんの気持ちにもなりなさい!」じゃ、相手には伝わりません。
なぜその行為が止められたのかを伝えるんです。
『相手が実現可能な具体的なリクエスト』を伝えるといいですよ。
こうやって、何度も繰り返し練習するしかないんです。
そして、子どもへ叱った意味を伝えるために、上手に叱るよりもっとも大事なことがあると、教師時代に気づかされたことがあります。
それはいったい何だと思いますか?
その答えは、次回のお楽しみに!
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