怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
新学期が始まり2週間過ぎてくると、少しずつ緊張感もとれてきます。
緊張がとれるということは、今まで大人しくしていた子どもたちも、本来の自分の姿を出し始めるようになります。
そうなってくると親として一番心配になるのが『いじめ』ではないでしょうか?
そこで今回は、普段スクールカウンセラーをしている妻に『いじめ』について書いてもらいました。
ではここからは、妻の書いた内容ですので、じっくりご覧くださいませ。
小さな出来事も子どもによって、深刻ないじめと受け止める
子どもたちが「いじめ」と口に出すときは、ちょっとしたことから、とても危険なことまで、様々な出来事があります。
もちろん、ちょっとしたことだろうが、とても危険なことだろうが、その子にとっては、とても怖くて頭を悩ます重大な出来事です。
【ケース1】
小学生女子Aさんが、Bさんからいじめられていると訴えてきた。
その理由は「ドッヂボールの時、Bさんが下の学年の子に『Aさんを狙ったらいいよ』と言ったから」とのこと。
ドッヂボールの得意な元気な子ならば、どうってことはない言葉でしょう。
でも、そうではない子にとっては、こんな言葉でも脅威に感じることがあります。
【ケース2】
BさんがAさんのテストの点を見てきた。
普段から気ごころ知れた仲なら許されるでしょう。ですが、普段から90点以上とる人が、70点以下の人のテストを見た場合、相手をバカにする意図が感じられますよね。
学校という集団生活の日常には、こういった微妙なことが起こります。
では、周囲はどうサポートしていったらいいのでしょう。
誰かが傷ついているなら学校は助ける姿勢を見せる
Aさんの担任の先生は、Aさんに「今日はイヤなこと無かった?大丈夫だった?」と聞くようにしました。それによって、Aさんは担任の先生に話しやすくなりました。
先生は「それは、かわいそうですね。」と言われたそうです。先生は共感してくれました。
前回、夫いなっちの書いたブログ怒りの裏にある感情に気づく!夫婦も親子も共感する聴き方のコツで『共感』の大切さについてかかれているので、ぜひご覧くださいね。
でも、それだけでは気持ちが軽くはならなかったそうです。
Aさんはその後に「明日は先生も一緒に行こうか」と言ってほしかったそうです。
そう言ってくれたら少しは安心できたのに・・と。
先生は、休み時間にやることがあって、約束できないことは言わないのかもしれません。
でも、苦しい時に受け止めてくれて、一緒に取り組んでくれる人を求めているのでしょうね。
一緒に取り組んでくれる人がいて、実感できている状態でないと「Bさんの言動にいちいち振り回される必要はありませんよ。」と言ってもなかなか入っていかないでしょうね。
子どもの頃にNHKの番組「おはスタ」に出ていたタレントの細山貴嶺さんが、ご自身のいじめの体験談が書かれた著書『デブ、死ね、臭い!を乗り越えて』の中でこう言われています。
『学校として、とりあえず誰が悪いかは置いておいて、誰かが傷ついているならば、それを助けるという姿勢を見せる。そういう学校の姿勢が僕には大きく、1番助かったし、1番ありがたかったですね』
この場合は『学校が』と書かれていますが、親でも親戚でも友人でも、「助けるという姿勢」が大事。
さらに、子ども自身のなかで「誰かが助けてくれようとしている」と実感できるレベルになるまで関わらないと意味が無いのでしょうね。
そして、学校も親もいっしょに同じ方向を向いて、子どもを助ける姿勢でい続けることが、最も大切なことだと思います。
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