怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
子どもに共感性を育んでいますか?
一昨日と昨日は、京都で仕事をしている長男の引越しを手伝いに行ってきました。
お昼になって、どこか美味しそうな店はないかと探して入ったのが『うどん・そば一休庵’s』(京都市右京区西院西田町2 101号 洛西マンションNo.2)。
店に入ってすぐ目に入ったのが、赤ちゃん。
お利口に一人で座っていて、あまりにも可愛くて僕たち家族がほほ笑んだり声をかけたりしていると、「声をかけてくださり、ありがとうございます。」と女性店員さんが笑顔で来られました。
昨年生まれたお子さんだそうで、祝日は保育園に預けられないからこうやって店に連れてきているそうです。
こちらのお店は、化学調味料を一切使わないこだわりの出汁、うどんに乗っている九条ネギなど店主のこだわりが素晴らしいです。
枕崎産本枯れ鰹節をその場で削って、お皿へ入れて出してくれます。
そのまま口へ入れると空気のように溶けてなくなりとっても良い香りが残りますし、うどんへ入れれば味に変化が生まれてこれまた最高!
味も最高でしたが、店主ご夫婦がさらに最高でした。
子育てで一番大切なことを実践されていたからなんですよ。
いったい何をされていたのか!?
子育てで共感性を育むにはお母さんが微笑むこと
いくらお利口に座っているといえど、赤ちゃんですから時々ぐずったり、お母さんを呼ぶようなしぐさを見せていました。
そのときのお母さんの対応がとても素晴らしかったのです。
「はいはい。ちょっと待ってね~。」
と、必ず子どもへ『反応』して、そのときに『笑顔』で答えてたことなんです。
接客や片付けなどをしながらでも、必ず笑顔でお子さんへ反応していました。
これはまさにフランスの精神科医アンリ・ワロンが発見した『微笑みの交換』です。
子どもが赤ちゃんの頃、母親が微笑むと赤ちゃんも微笑みます。母親の笑顔に笑顔を返すことをするんですよね。
これは、生まれながらにもっている人間の能力だそうです。
これをしていくことで、『共感的な感情』が芽生えてくると、児童精神科医の佐々木正美先生も言われています。
喜びを分かち合えば悲しみも理解できるようになる
さらに親が子供を喜ばせ、親もそれを見て喜ぶ。
喜びを分かち合うことで、子どもには悲しみを分かち合うこともできるようになると言われます。
喜びを分かち合う経験をしなければ、他者の悲しみは理解できないということなんですよね。
「人の気持ちも考えなさい!」
「どうして優しくできないの!?」
こんなことを無理やり子どもへ押しつけても、子どもには身に付かないんですよね。
だって自分が親から優しく関わってもらえてないのですから。
赤ちゃんの頃に、いっぱい泣いてお母さんを振り向かせようとしたのに、お母さんが笑顔で振り向いて反応してくれた経験が少ないのですから。
赤ちゃんが初めて何かするとき、母親を振り返りますよね。
お母さんが「大丈夫だよ」と言ってあげることで、赤ちゃんは安心します。
振り返ると見守ってくれる母親がいる安心感。
赤ちゃんの頃に、こういった経験を通して社会的規範を身につけていくのです。
これを『ソーシャルリファレンシング』といいます。
この時期に見守ってもらえなかった子どもは、大きくなって非行や犯罪に走ってしまうことが多いそうです。
これは精神医学者のロバート・エムディの研究で報告されています。
赤ちゃんのころに母親が我が子を見守ることが、どれだけ大切なことか!
あたりまえのことのように思えることが、実は子供の成長に大きな影響を及ぼしているんですね。
うどん屋の奥様のお子さんへの対応、うどんの温かさとおなじように温かく、赤ちゃんの心へ栄養をいっぱい与えていました。
あらためて子育てで一番大切な『共感性』を確認させてもらうことができ、本当にありがとうございます。
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