叱り方が変われば子どもも部下も変わるのはなぜか?
怒りの取り扱いアドバイザー&元中学校教師
いなっちこと、稲田尚久です。
あなたは叱ったこと覚えてますか?
中学校教師だったときのこと。
叱られた本人は記憶に深く刻まれる
係の生徒が翌日の授業で準備するものを聞きに来た時のこと。
美術室の掃除を終えて、準備室で歯磨きをしていた私。
ドアをドンドンとノックする音。
生徒「先生ー!」
僕「はいはい。なに~?」
生徒「明日の○年○組の準備物は?」
僕「いつも通りね。わざわざ3階までご苦労さんじゃなあ」
生徒「だって、1年生のときに聞きに行くのを忘れたとき、先生に叱られたんで絶対に行かないといけないと思って・・・」
僕「あ~、そうじゃったなあ。そうかそうか。ちゃんと覚えていて、すばらしい!」
生徒「ありがとうございます」
生徒は忙しそうに、去っていきました。
叱った本人は忘れていることが多い
実は、そのことすっかり忘れていた僕。
そういえば1年生のときにそんなことあったなあ。
でも、あの生徒はよく覚えていたなあと感心しました。
「先生に叱られたんで絶対に行かないといけない」
生徒にはしっかりと記憶に残っているんですよね。
でも、叱ったほうの僕は記憶にほとんど残ってない。
このときどんな叱り方をしたのか?
まったく思い出せないのです。
叱ったことは覚えているんです。
でも、その時の感情やセリフが思い出せない。
知らないうちに人を傷つけていることもある
僕としては、できていなかったことを次からできるように叱ったつもりです。
でも、生徒にとっては
『叱られる』
という行為は、とても記憶に深く刻まれている。
それだけ叱るということは効果が大きい。
大人でもできれば叱られたくないですよね。
子どもだって同じ。
まして、思春期ともなれば自分のプライドも高くなります。
プライドを傷つけられることもあります。
できることならされたくないのです。
叱る目的をはっきりさせておく
叱ることはリクエスト。
相手に行動改善を求めるのです。
具体的ではっきりとした目的を持って叱らなくてはいけません。
その場の感情だけで叱る。
「まったく!何度言ったらわかるんじゃ!?」
これだと自分の怒りをぶつけることが目的になってます。
何をどうしていいかが伝わりませんよね。
叱る前に、どんな目的があるのか確認しておくことが必要です。
叱るときはわかりやすく具体的なリクエストで
「準備物を昼休みに聞きに行っとかないと、帰りの会に間に合わなくなるだろ?そうなると、クラスのみんなが待つことになるし、帰りの会が長引いて部活へ行くのも遅れる。いろんなところに影響出るから、今度からは必ず昼休みに聞きに来てくれよ」
これくらい、細かく具体的な伝え方をしたほうがいいです。
そして、できるだけ穏やかに真剣な表情で。
もし、自分自身とても迷惑だったのなら、こう言えばいいでしょう。
「先生は帰りの会の前には打ち合わせがあるから、昼休みに来てもらわないと困るんだ」
自分が迷惑だったことを怒りでぶつけるのではないのです。
どういう理由で困るのかを具体的に伝えるのです。
叱るのは理論と技術だから誰でも上手になれます
叱ることは悪くない。
子どもとの向き合い方しだいです。
叱り方が変われば、子どもの受け止め方も変わります。
親と子、教師と生徒、上司と部下。
お互いの関係性も良くなります。
そして、家庭・学校・職場の環境も良くなります。
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