親からの評価 は子供に悪影響を及ぼす!
「良い」か「悪い」、「〇」か「✖」・・・といったように、善か悪、白か黒、0か100といった二者択一で判断していませんか?
岡山コミュニケーション研修講演企画代表いなっち先生こと稲田尚久です。
「ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。」と言いながら鬼の子どもが涙を流しています。
あなたはどう感じますか?
桃太郎は正義の味方か!?
桃太郎の昔話はご存じですよね。桃太郎は人間たちに悪さをする鬼を退治するために、鬼ヶ島に行って鬼を懲らしめて、鬼の持っていた金銀財宝を持ち帰ってめでたしめでたしといった物語です。
桃太郎には諸説ありますが、岡山にかつて存在した吉備の国に温羅(うら)という鬼がいて、孝霊天皇の息子である吉備津彦命がその温羅を征伐したと言われています。
だから桃太郎は岡山の代表的なヒーローというかシンボルで、岡山駅前には桃太郎の銅像が置かれています。
温羅は朝鮮半島からやってきた高度な技術を持った人たちで、当時の吉備の国では重要な存在だったとも言われており、大和の国が日本全国を治めるためには邪魔な存在だったので、鬼に仕立て上げたのではないかという説があるんですよね。
ということは、吉備の国側からすれば大和の国はとんでもない鬼になるのではないでしょうか?
ブログの最初の方に書いた「ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。」というのは、新聞広告クリエーティブコンテストの受賞作品です。
実は僕が教師時代、同じ学年の先生のアイデアで「ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。」を使って道徳の授業をしたことがあります。
「桃太郎の昔話は本当に“めでたしめでたし”なの?」といった、視点を変えて物事を見ることの大切さを考えてもらいました。
親からの評価 は子供に悪影響を与えているかも?
どうして今回のブログでこんなことを書いているのかというと、今の世の中を見ていて「正義」が「悪」を叩くということを当たり前のようにメディアで毎日流されていることに、僕は物凄く違和感を感じているからなのです。
それぞれの立場から見れば、「正義」はそれぞれにあるんじゃないかなと思うわけなんですよ。
アンガーマネジメント的に言うと、自分の理想や願望である「こうあるべき」、いわゆる「べき」は「その人にとっては正解」であるということです。
100人いれば100通りの正義があるわけです。
親には親なりの正義があり、子どもには子どもなりの正義がある。だからそれを「良い」か「悪い」、「〇」か「✖」・・・といった判断で簡単に決めてしまうのは、どうなのかなと思うわけです。
「いじめは悪い」のは当然のことですが、「いじめている側は悪。だから懲らしめられるべき。」と極端な見方に偏ることがあります。だからといって、いじめを肯定しているわけではないし、いじめはダメですよ。
でも、いじめている側にもいろんな事情があり、家庭で辛い思いをしている、誰かに心理的支配を受けているなどの問題を抱えていたり・・・。
立場を変えればその立場だからこそ「正しい」と思うことが出てくるわけで、親からの評価 を一方的に与えるよりもまずは子どもの置かれた状況、そこにある「正義」に想いを巡らせてみることが大切ではないでしょうか。
アンガーマネジメント、コミュニケーション、子育て
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