当たり前に見える子どもの行動を見落としていませんか?
岡山コミュニケーション研修講演企画・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
子どもが健康でいてくれるだけで幸せと思えますか?
先日講演させていただいた、津山市立南小学校の保護者のかたの感想です。
本日、一番のびっくりポイントは〝長所やできることをほめて、短所やできないことを叱ると、優越感しか育たない〟というところでした。
マズローの欲求5段階説の承認欲求部分が満たされないと自分の内側から成長欲求は出てこない。
毎日の生活の中で、子どもにそれほど怒ってはないですが、「無条件に認める」ことは、まるで出来ていませんでした。
以前に、稲田先生よりアンガーマネジメントについてご講演いただき、怒る回数も減り、人より自分を変える努力をしてきましたが、さらに次の目標ができました。
〝あいづち〟と〝オウム返し〟、そして「ありがとう」「うれしいわぁ」「大変だったね」「助かるわぁ」等を日頃から伝えたいと思います。
早速帰り道、息子にオウム返しをしたところ、キョトンとして〝いつもと違う!?〟と感じてくれたようでした。
娘には長女ということもあり、感謝や労いをあまり伝えていなかったので、認める声かけとして実践していこうと思います。
確かに、健康でいてくれるだけで十分幸せで有難いことと再確認しました。
あとは私もイライラのもとを自分勝手に貯めないように、ふわふわ言葉で頑張ります!!
講演内容について詳しく振り返られていて、とても大切なことを書かれていて感動しました。
僕は『子どもを認める』ことの大切さを講演で伝えています。ただし、『子どもを認める』ということで、気をつけなくてはいけないことがあるんです。
「子どもの頑張りを見つけて認めなくてはいけない」と思うのは、決して間違いではないのですが、そこに気を取られすぎていないかということ。
親にとって「子どもが頑張っている」と思っていることが、テストで良い点を取ってきたり、スポーツで勝利をあげたり、習い事で表彰されたり・・・といった『良い結果につながるための行動』となっていないでしょうか?
子どもが学校へ行って帰ってくるという行為は、子どもを認めるほどの価値はないでしょうか?
子どもへ感謝と喜びと労いを伝えるだけでいい
「子どもが学校に行くのは当たり前!私なんか仕事したうえに家事までやってるんだから!」と思う気持ちもわかります。大人だって大変ですからね。
でも、朝早くから学校へ歩いて行き、一日授業を受けて頭を使い、先生に当てられて緊張したり、上手く答えられなくて辛くなったり、友達関係で気をつかったり、放課後は部活動をしてくたくたになる・・・、子どもなりに頭も体もフル回転させて、そしてまた歩いて帰ってくる。
僕は、これだけのことを一日行って、それを毎日繰り返しているだけでも、すごい頑張っていることだと思いますよ。
でもこれらの行為に対して、急に褒め言葉を言おうと思うと、難しいですよね。
「学校へ毎日通ってすごいね!」なんて言ったら、「そんなの当たり前じゃん!」って、子どもから言われちゃうかもしれません。だから、褒めようとしなくていいんです。
『感謝』『喜び』『労い』を伝えるだけでいいんです。
子どもが家に帰ってくれば、「お帰り!おつかれさま」と労いを伝える。
そして、学校からの配布物を渡されたときに「ありがとう」と感謝を伝える。
子どもが自分から配布物を出し、「すぐに出してくれて、助かるわぁ」と喜びを伝えているご家庭では、子どもも自然と配布物を出す習慣がつきます。
逆に、横を向いたまま「そこに置いといて!」とか、「もう!忙しいのに!また書いて出さないといけないの?!」と愚痴を行ってみたり、読まずに置きっぱなしだったりといった態度をとっていては、子どもも徐々に出さなくなります。
何気ない、普段当たり前のようにやっている行動の中に、『感謝』『喜び』『労い』を伝えていけばいいんですよ。
これを意識してやっていれば、子どもが親の理想とする頑張りを見せなくても、自然と認めることができていることになりますからね。
事故やケガもなく、健康で家に帰って来てくれることほど、親として安心できることはありませんよ。
それは『当たり前』じゃないんです。
『有る(在る)』とは、子どもが『存在』してくれていること。そのうえで、毎日いろんなことがあって、元気に存在してくれることは、簡単なことではなく『難しい』ことなのです。
だから、子どもの『当たり前に見える行動』に対して、『有難う(ありがとう)』の気持ちを伝えていきませんか?
アンガーマネジメント、コミュニケーション、子育て
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