岡山コミュニケーション研修講演企画・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
子どもへ言う言葉の重さを噛みしめていますか?
今日は、僕の母校である岡山県立勝山高等学校の全校生徒の皆さんへ講演をさせていただきます。
『もっと上手になろう!コミュニケーション』というテーマで、高校生が社会人になってから必要なコミュニケーションについて学んでいただく予定。
数学嫌いになったのは先生のせいではない
実は僕、高校時代はコミュニケーション能力なんて全くダメダメでしたし、自分に自信がなく消極的な目立たない男子でした。
中学校までは、成績もそこそこ上位に近い部類にいましたが、高校になってつまずいたのです。特に数学で。
もともと僕は小学校のときから算数が苦手で、中学校の数学も苦手でしたが、トータルで成績を見れば他の教科でカバーできていたんですよね。
でも高校に入ってからは、中学校までのようにはいきませんでした。数学がいきなり難しくなり、数学嫌いを決定づける出来事があったのです。
高校1年生のとき、入学して間もない頃でした。数学の授業もたしかまだ数回行ったくらいだったかな?
授業開始までに黒板へ、自分に割り当てられていた宿題の回答を板書をしておくんです。
授業が始まると、先生がその板書を一つずつ答え合わせしながら解説します。
怒ると激しい先生で、授業中は緊張感がピリピリと張りつめていました。
僕も「間違っていたらどうしよう?」と、ドキドキしながら待っていると、ついに自分の板書にきました。
先生「これ誰やった?」
僕「あっ、ハイ」と挙手をすると
先生「アホ!」
先生の「アホ!」は、関西人の親しみのある「アホ!」ではなく、目がマジで怖かったなあ~。もう僕の頭は真っ白。
先生「なんでこうなる?」
その後、公式か何かを聞かれましたが、緊張感で思考がフリーズした僕は何も答えられませんでした。
それでも矢継ぎ早に先生からの質問攻撃が来ます。でも、何も答えられない僕。
先生も語気を荒げながら
「アホ!」
またまた僕は頭真っ白け。涙が出そうになり、結局最後までまったく何も答えられなかったのです。
元々、数学は苦手だったのですが、その日から完全シャットアウト。
その先生の授業のときは、「いつ当てられるのだろうか?」「当てられませんように!」と祈ることばかりでした。なんと情けない少年だったことか。
(さえない高校時代)
子どものやる気を引き出す言葉を選ぶ
僕は、数学ができないことをその先生のせいにしていたので、自分自身の努力をすることを止めていたのです。
だってそのほうが、自分にとっても楽ですから。
「先生のせいで数学が嫌いになった」というのは、実は違ったのですよ。自分にとって都合の良い理由を自分から作っていただけなのですよね。当時の僕は、そこに気づくことができませんでしたけど。
だから当時は、その先生のことが大嫌いでした。
教師になってから高校へ入学願書の出願などで、その大嫌いだった先生と顔を合わせる機会があったのですが、なんと当時と打って変わって、すごくにこやかに接してくれました。
その先生も僕の退職と同じ年に定年退職されたようです。高校生のときの僕がこんな思いをしていたなんて全く気にもしていないでしょう。気にされなくてもいいですが。
だってその先生は生徒のために数学を必死で教え、厳しくされていたのも先生なりの戦略だったかもしれない。
実際に友達の中には「あの先生は1年のときはすげえ厳しいかったけど、学年が上がるにつれて優しくなって、実際に数学はわかりやすかった」という人も多くいましたからね。
ただ、厳しい言い方や表情はもろ刃の剣。『厳しくする』が『相手を傷つける』にならないようにしたいですね。
だから、先生や親の言葉は気をつけて発したほうがいいし、叱って子どもをコントロールしたり、自分の管理下に入れようとするのは良くないです。
僕のようにいっきにやる気をなくし、その責任を自分ではなく先生や親のせいにしてしまう子どももいますし、エネルギーが切れかけている子どもにとっては不登校のきっかけになることがありますから。
せっかく熱のこもった指導をしても不登校の引き金をひいてしまえば、学校や先生は悪者にされますからね。
前回のブログやればできるは禁句!励ましの言葉が子供のやる気をなくすに書いたように、子どもは自分の都合のいいように捉えて行動していきます。
だから、教師や親の言葉って影響が大きいということだけはわかって、子どもへ接してほしいです。
高校時代の僕は先生のせいにしてしまいましたが、その反面、教師になってからこの経験を活かすことができ、決して無駄ではなかったなあ、と今は思います。
人のせいにしない生き方ができるよう、教師や親は言葉の重み、自分の言葉の影響力をしっかりと認識しておきましょうね。
アンガーマネジメント、コミュニケーション、子育て
子どもから大人まで、岡山発どこへでも
研修や講演のご相談はお気軽にどうぞ!
数人の子育て座談会から企業研修まで対応
企業での社員カウンセリングも対応