岡山コミュニケーション研修講演企画・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
「あなたは、やればできるんだから!」
子どもを励ましたり、やる気を出させるつもりで言っているこの言葉。
実は、子どもにとって都合の良い言葉で、やる気を出すどころかやる気を出さないためにとっても都合がいいんです。
いったいどういうことなのか?
頑張って結果が出ないより、頑張らずに結果が出ないほうがいい
子どもがテスト勉強頑張っていたのに、思うような結果が出なかった。そんなとき、あなたはAとBどちらの言い方をしますか?
A「あなたはもっと頑張れば、できるんだからね。」
B「頑張っていたのに、結果が出なくて辛かったね。」
Bのほうがいいんです。その理由を説明しましょう。
あなたが中学生のとき、返されたテストの結果が良くなかったとします。
次の①と②のどちらの捉え方が、自分で納得しやすいですか?
①勉強頑張ったのに、テストの結果が良くなかった
②勉強頑張らなかったから、テストの結果が良くなかった
おそらく、②の方が納得できますよね。頑張って結果が出ないより、頑張らなくて結果が出ない方が自然なことですから。
やればできるという可能性を残しておくことは都合がいい理由
頑張ったのに結果が出ない、というのはすごく悔しいです。心地良くない。
頑張らなくて結果が出ない、これは「やらなかったから点数が良くなかったんだ。やれば出来たかも。」と可能性を残しておけます。
可能性を残しておく方が、子どもにとっては楽なのです。だから、努力やチャレンジをするよりも、何もしない方がよくなってしまうというわけです。
これは、大人も同じ。「タバコは止めようと思えば、いつでも止められる」みたいなもの。本当は止めるには、すごく強い意志が必要だし、かなりしんどい道のりになります。
でも、いつでも止められる可能性を残しておけば、実際に止めるよりは簡単ですからね。
やろうとしたことが実現できなかったとき、自分自身が嫌な気持ちになりますし、なにより他者から「やっぱり無理だったんだ」というような「それみたことか」的なバカにされる言葉をもらうことになりますよね。
結局、人は『傷つきたくない』という気持ちが、多かれ少なかれあるんですよ。
こういうことを、子どもだって無意識のうちにやっていくんです。子どもだって傷つきたくないですからね。
だから、可能性を残しておくことは、自分を守るためにとっても都合いい理由となるわけです。
そうなれば、失敗したくないのでチャレンジもしなくなります。
努力やチャレンジすることを恐れてしまう子どもにならないために、親は子どもの結果に一喜一憂するのではなく、努力していた過程を認めてやる。
そうすれば子どもも「また次回がんばる!」という気持ちになれますからね。
さらに大切なのは、努力している姿が見られなくても、子どもの存在そのものを無条件に認めてやることですね。
元気に「行ってきまーす!」と言って学校へ行き、「ただいまー!」って元気に帰って来る。
こんなにありがたくて幸せなことってないと思いますよ。
前回のブログ言葉が現実をつくる!親子も夫婦も良い言葉や感謝を伝えるでも、当たり前のことへ言葉を伝える大切さを書いていますのご覧ください。
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