怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
「今の学校へ来て、今まで20数年教師として積み上げてきた経験や自信、何一つ役に立たんのじゃ。すべて覆されたなあ。」
この言葉は数年前のこと。元同僚だったK先生と久しぶりに会った時に言われた言葉。
愛情が満たされていない子供へ叱るだけでは通じないと知ったベテラン先生
この先生がその時に勤務されていた学校は、当時生徒指導困難校と言われる中学校でした。
僕は若い頃、この先生と一緒に勤務していて、子どもへ対する情熱や仕事への責任感がいつも憧れの先輩だったし、いろんなことを学ばせもらってました。
だから、この先生ならどんな学校へ行っても素晴らしい教育ができるだろうと思っていたので、まさかこのようは言葉が出てくるとは
本当に驚きでした。
でも、K先生さすが!と思う言葉が出てきたんです。
K先生「朝、校門に立って子どもを出迎えとったら、カップラーメンすすりながら来るやつがおったんじゃ。今までじゃったら『おめえ、なにしょんなら!』って言うとこじゃけど、この子らにはそれが通じん。そんなこというもんなら『うるせえ!見てわからんのか!』と、くってかかってきて興奮させるだけで、ええことにならんけ」
僕「そうですよねえ。無駄な言い合いにになるだけでしょうね」
K先生「だいたい、こういう子どもは親の愛情で満たされていないから、叱るだけの指導じゃ通じないことが本当にようわかったよ。もちろん、叱る必要のあることは言うけど、頭ごなしに言うのはいけんな」
ベテランの先生でも、こうやって子どもの背景にある家庭状況を考えて、柔軟に対応されていて素晴らしいなと思いました。
アンガーマネジメントを教育現場へ活かし、子どもを許容する
教師は経験値を積めば積むほど、自分のスタイルを確立します。
それはそれで大切なのですが、時にそれが通じなくて、自分を責めたり、子どもを責めたり、どんどん歯車がかみ合わなるといった悪循環に陥るのです。
この先生は、今までの経験値を捨ててでも、新しい環境で頑張られてきたんでしょうね。
K先生「愛情で満たされていない子どもへ『優しくなれ』とか『思いやりを持て』なんて通じるはずがない。自分の心が満たされて初めて、自分以外の人へ優しくなれるんじゃし。じゃけん、そういう子どもを頭ごなしに叱っても受け入れられるはずがないわな」
僕「小さいうちから習い事とか本気でさせなくていいから、抱っこやおんぶさえしっかりしておけば、子どもの心は満たされる。子育てを難しく考えなくていいんじゃけど・・・」
K先生「イナちゃんのアンがーマネジメント講座受けて、今でもずっと心に残っとるのが『べき』のことじゃなあ。自分の『べき』生徒の『べき』。許容できる部分は、許容していかんとやっていけん。教師の『べき』を押しつけてばかりじゃだめじゃな」
すごく嬉しかったですね。
アンがーマネジメントを活かして、問題行動起こす子どもの気持ちを少しでも理解しようとする、K先生に感動し、やっぱり、若い頃のままだなあとうれしい気持ちになりましたよ。
今もきっと、子ども達のために日々力を尽くされていることと思います。
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