怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
誰一人、自分と同じ世界を生きていません!
先月は、講演&研修が24本、カウンセリング4人、社長&社員面談5人。
「いなっち先生、大変でしょう?」って、よくいろんな人から言われます。
ところが「大変」という気持ちより、「充実」しているという気持ちでいっぱいです。
僕が思っていることと、他人が思っていることにズレがある?!
こういったことは親子の間でもあって、お互いの考えていることにズレが生まれるってことがよくありませんか?
人は自分の見たいように見ている
このことを教師時代、京都造形芸術大学アート・コミュニケーション研究センターが主催する教員免許状更新講習を受講したとき、次のようなことを教授が言われて、とても印象に残っています。
人は一つのものの見方にとらわれやすい生き物
『ものを見る』ということは、他の見方の可能性を『見ない』ということ
例えば、この絵。あなたは何が見えますか?
向こうを向いている女性?
横向きで鷲鼻のおばあさん?
それ以外?
どれが見えても正解!
この絵はだまし絵で有名ですから、見たことのあるかたも多いことでしょうね。
向こう向きの女性が見えていると、横向きのおばあさんは見えない。
横向きのおばあさんが見えていると、向こう向きの女性が見えない。
両方気づけたとしても、それは瞬時に脳が切り替えているだけであって、人は一度に複数の情報を判断することは難しいのです。
また、小学生に講演で使ったときには「カエルが見える」「岩が見える」と言う子どももいました。
どこに注目しているかで、そうなりますよね。
このように、自分の見ているものは、自分の見たいように見ていて、自分の解釈をしているわけなのです。
さらにやっかいなことに、そこに自分の経験が加わるから、自分の見方が正しいと強く感じてしまうんですよね。
親の都合で子どもを見ないこと
親は子どもへ、自分の言っていることが正しいと思って、あれこれ言います。
基本的には「子どもの行動には、子どもなりの理由がある」と思って接したほうが、親子の間のズレが大きくならず、親子関係も良好にいきます。
でも、「子どもにはこうなって欲しい」と子育ての理想を描くのが親心であり、「子どもの将来に必要だから、言っておかないと!」と思うものだと思います。
でもちょっと考えてみてください。
果たしてそれは本当に子どもにとって必要なことなのでしょうか?
「子どもが将来困らないように」と思って、子どもへ言う言葉は本当に『子どものため』なのでしょうか?
「困らないように」と言いつつ、それは親が設定した、親の価値観からきた基準ではないですか?
子どもが本当に困っているのですか?
結局のところ、「子どもが困らないために」と言いつつ、それは親自身が「うちの子はこんなことでは恥ずかしい」という、親の都合が混ざってはいないでしょうか?
子どものためなのか?親の都合なのか?ぜひ一度見直してみてください。
きっとその多くが、親の都合であることのほうが多いですから。
子どもは自分で困った時に、このままではいけないからなんとかしようとするんです。
子どもが経験するべき「困ったなあ」を、親が先走って取り除いていくから、子どもが困難を乗り越えていく力を身につけることができない。
そのことに親は早く気づいたほうがいいですよ。
そうしなければ、「親のせいでこうなった!」と、子どもからすべて責任をなすりつけられることになるかもしれませんから。
親子と言えど、同じ世界を生きていません。
親の見ていること考えていること、それは自分の子どもと言えど、全く違っていると思っておきましょうね。
そうすれば、親子間の考え方のズレで、いちいちイライラする必要がなくなってきますよ。
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