怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
子どもに『最後までやり通す力』を求めすぎていませんか?
子どもは見通しを立てるのは苦手
前回のブログ親子関係の悩みを相談する前に!やっておくべき3つのポイントでは、子どもが学校へ行って帰ってくるだけでも、すごいことで当たり前って思わないほうがいいと書きましたよね。
朝から学校へ行って、授業受けて、中学生になれば部活動をして帰ってくる。もうこれだけでもヘトヘトに疲れ切ってます。
ところが最近の子どもたちは、家に帰ってからさらに塾や習い事へ行くといったことが多くあります。
なんだか、子どもたちが忙しすぎるんじゃないかなあと、すごく気になるんですよ。
大人も余裕のない社会ですが、子どもたちにまで余裕のなさが広まっているような気がしてなりません。
僕は塾や習い事が悪いとは思いませんし、子どもがやりたくていくことは、どんどんさせてやればいいと思います。
ただし、子どもがやると決めたことを途中で「やめたい」と言った時の親の対応が重要なんです。
「あなたがやりたいと言ったんだから、そんな簡単に辞めるって言わないで!」
「自分がやると決めたことは、最後までやり通せ!」
「楽なことへ逃げてはいけない!」
こんなことを子どもへ言ってませんか?
間違いではないですが、これを親が言い続けたり、子どもの言い分に耳を傾けないことは、すごくマズいことですよ。
僕たち大人だって、自分がやろうと心に決めたことが、想像していたことよりもはるかに難しいことだったり、予期せぬことで壁にぶち当たったり、雰囲気が悪かったり・・・、こんなことはありますよね。
子どもだって同じです。さらに子どもというのは、見通しを立てるのが苦手です。
特に低年齢になればなるほど、見通しを立てることが苦手ですね。
子どもは目の前のことにしか注目していない
こんな経験はないですか?
「そこ触っちゃダメって言ってるのに、なんであなたはすぐに触るのー!?」って、子どもへ怒った経験。
これはねえ、子どもには罪がないんです。
子どもってのは、目の前にあるものに興味を持ったら、触ってみたくなるんですよ。
登山家の人へ「なんで山へ登るの?」と聞いて、「そこに山があるから」と答えるようなもの。
そこに「面白そうなものがあるから」触るんです。
こんな感じで、子どもは目の前のことにしか目がいかない。だから、塾や習い事を始めるときも同じ。
子「なあなあ、〇〇ちゃんも塾行ってるから私も行かせて!」
親「宿題するだけでも大変なのに、あなたにはムリよ!」
子「大丈夫!塾に行けば、勉強わかるようになるから、宿題もすぐに済ませられるようになるよ」
親「本当に?」
子「うん!絶対大丈夫!」
と、こんな会話の流れで子どもに許可を出しますが、途中で雲行きが怪しくなったりします。
子「お母さん、塾辞めたいんだけど・・・」
親「あなたが自分で絶対に大丈夫って言っていたのに、何言ってるのよ!そんな簡単に辞めてもらっては困るし、自分が言い出したことは、最後までやりなさい!」
子「だって・・・」
親「だってだなんて、言い訳するもんじゃないの!」
子「・・・」
こうなると、子どもも自分に非があると自覚しているので、何も言えません。
でも本当は、辞めたい理由を親に聴いてもらいたいし、しんどさをわかってもらいたい。
自分の本当の気持ちをわかってもらえず、「自分が弱いからこうなってしまったんだ」「自分に忍耐力がないからダメなんだ」と、最後は自分を責めることになったりします。
そうなってしまうと、もう親へ自分の辛い気持ちや本音を言えなくなってしまいます。
我慢することで親に認めてもらうことが、とても良いこととなってしまうんですよね。
そのまま大人になっていくと、どうなっていくでしょう?想像はつきますよね。
最後までやり通す力は大切ですが、子どもの本音や気持ちを抑え込んでまでやり通させることは、良くないですからね。
子どもは、目の前のことにしか注目していないことを、親は想定内に入れておきましょう!
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