怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
前回のブログの子供が自立した大人へ成長するには?親へ依存し甘えることが大切からの続き。
満たされない心を満たすために問題を起こす子供
この本に、前回ブログへ書いたことを裏付ける内容がかかれています。
- 作者: 岡田 尊司
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/01/28
- メディア: 新書
前回のブログで書いた薬物依存にかぎらず、過食症、万引き、DV、虐待・・・など、これらの背景には共通の問題があると、著者は書いています。
それは、自分が愛されていないという寂しさであり、欠落したものを抱えているという飢餓感である。
それを本来は満たし、癒してくれるはずの相互的かかわりが不足しているのである。
その結果、自己目的化した快楽の円環に飢餓感を閉じ込めるために、いくら繰り返しても満たされることのない行動に耽り続けるのである。
(本からの引用)
こういうことから、満たされない心を満たそうとするために、何度でも問題行動を繰り返してしまう。でも心は満たされない。
さらに追い打ちをかけるのは、問題行動を起こせば当然ながら、教師や親から厳しく指導されます。
そうなれば、「自分の気持ちをわかってもらえない」というイラ立ちから、さらに悪化していく可能性もでてくるわけです。
では、どうすれば解決の方向へ向かうのか?
問題行動を減らすには、愛されるに値する存在だと思えること
著者によれば、一つは
自己目的化した行動によって、快楽よりもはるかに大きな損失が生じているということを認識することである。
(本からの引用)
自分の起こした問題で、とんでもない大事故につながったとか、大きな後悔をすることで行動が改善されるケースもありますよね。
もう一つは
相互的で共感的な関係を取り戻す体験をすることによって、自分を愛し、大切にしてくれる存在がいるのだということを実感し、それによって自分も愛されるに値する存在だと思えるようになることである。
(本からの引用)
これが最も大切なことだと僕は思います。
親が気づいて子どもを愛することが一番良いのですが、そうならないケースもあります。
そんなとき、学校やその他の機関など、親以外の大人が温かい関わりをすることで、愛情は満たされて行動は変わっていくのです。
ただし、これにはとても大変な労力や忍耐力が大人には必要なんですよ。
幼い時期の子育ての大変さより、もっともっと大変です。
だから、僕はブログでも講演会でもしょっちゅう伝えていることがあります。
子どもを抱っこできるときや抱きしめられるとき、とことん抱っこしてとことん抱きしめてやってくださいね。
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