怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
親のすべき課題と、子どものすべき課題。あなたは分けて考えていますか?
ある講演会で、「最近イライラしたことを書いてください」という僕の問いかけに「子どもが片づけをしないこと」と書かれたお母さん(Aさん)がいらっしゃいました。
子どもが片づけをしないとき、あなたはどんな対策をとりますか?
片づけをしない子供が片づけるようになった!とっておきの方法とは?
僕は講演会で、こうアドバイスをするんです。
「お子さんが片づけをしなくてイライラするとき、とっておきの解決方法があるんです!」
そう言うと会場はすごく興味深々になります。
「お子さんが散らかしている場所を見なければいいんです!」
と言った瞬間、会場は笑い声と「たしかにそうだけど、でもねえ・・・」といった、苦笑が聞こえてきます。そこでさらに僕はこう言います。
「お子さんが片づけをしないことで、なぜ腹が立つのでしょうね?」
実は、この問いかけを、今回ブログの最初に紹介したお母さん(Aさん)へ直接投げかけてみたんです。すると、
Aさん「私が散らかしっぱなしの状態を見るのが嫌いだからですね」と答えてくれました。
お母さんの気持ちを正直に答えられて、すばらしい!
そうそう、そこなんですよ。自分が嫌だから腹が立つんですよね。
そしてさらに、僕の問いかけは続きます。
僕「子どもは散らかしっぱなしで、なにか不都合を感じていますか?」
Aさん「いえ、子どもは何も不都合を感じてません。私が一人でイライラしているだけです」
それそれ、それなんです。結局自分の基準で考えているだけですからね。
じゃあ、どうすればいいのか?
僕「子どもさんが使うスペースと親の使うスペースは分かれてますか?それとも共有してますか?」
Aさん「うちは子どもと親が一緒のスペースを使ってます」
僕「それなら、親の使うスペースと子どもの使うスペースにテープでも引いて、『ここからはお母さん達が使う場所だから、出したおもちゃは必ず片付けてね』って言って、分けたらどうです?」
Aさん「なるほど、それやってみます!」
そして、その日にすぐやってみたそうです。すると、こんな嬉しい感想をいただきました。
昨日アドバイスいただいた内容ですが,早速やってみたところ,10分で片付きました。
そのうえ,娘から「お母さん,面白いね!枠中にモノをいれるってゲームみたい」と。
これからどのように変化するかどうなのか,子どもの様子を見ながら、話を聞きながら気持ちのマネジメントを意識していきたいと思いま す!
こうやって、すぐに実践されることが素晴らしい!
意外とやりがちなのが、上手くいかないことをいつまでもやり続けてしまうこと。
上手くいかないなら、さっさと違う方法を試した方がいいですよ。
子どもがすべき課題、親がすべき課題、分けて考えてみましょう。これを『課題の分離』っていいます。
そうすれば、子どもへイライラしなくていいことが、いっぱい見えてきますから。
さらには、今回のテープを張るように、親がちょっと工夫するだけで改善することもあるのです。
これは、中間テストの時期にも同じことが言えます。
そこで、過去のブログを紹介しますね。
テストの結果にイライラしないためのコツ
あなたの子どもがテストの点が悪かった、そんなときどんな反応していますか?
不甲斐ない点数や成績にイラッとして怒る。
そういう方もいらっしゃるでしょう。
なぜ、怒るのですか?それは、子どもの将来のため?あなたの理想でないため?
僕はどちらだろうとも、「親のエゴじゃないの?」と言いたくなります。
「あなたのために言ってるの」その言葉にいつも違和感を感じるんですよね。
「あなたのため」本当ですか?
「自分の理想と違っている」だからじゃないですか?
親目線の不安が基準になっていませんか?
もちろん、子どもよりも人生を長く生きてきたわけですから
「こうした方がよりいいよ」という見方はできます。
それは一つの方法、選択肢の一つとして伝えるのはいいと思います。
ただし、それを押し付けるのは、子どもの人生に土足で踏み込むことになります。
もし、子どもの人生も親が管理するべきと思っているなら、子どものためになっていませんよ。
それはあなた自身のためにしかなっていないのです。
あなたは自分の人生楽しんでいますか?
もしかして、自分のできなかったことを子どもに託していませんか?
もしそうなら、今すぐやめてください。
子どもの人生は子どもが決めるのです。親は親の人生を充実させましょう。
それは子どもを放っておく、ということではないのです。
子どもの課題、親の課題、ごちゃまぜにするなということなのです。
高校を退学した、高校へ行かなかった、いろんな教え子を知っています。
それが、結果的に良かった生徒。やっぱりそれは違ったという生徒。
どちらにしても、自分で経験して、自分で判断して、自分の人生を自分で決めみんなたくましく生きていますよ。
だから、親が不安になる必要ないんです。子どもをもっと信じてくださいね。
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