怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
3月の卒業式まで高校はお休みの娘。以前から「なあ~、スキー行きたい」とことあるごとに言われてました。
しかし、スキーに二人で行くと2倍の出費。そこで、兵庫県にある若杉高原おおやスキー場が一日券1000円のキャンペーンやっていたので、仕事のない昨日行ってきました。
手続き記憶でアンガーマネジメントは身に付きやすい
若いころはスキーにどっぷりハマって、雪を見るとソワソワしてましたし、スキーNow(これ知っている人は、だいたいの僕の年齢がわかるでしょう)という深夜の番組見てからイメージトレーニングして、そのままスキー場へ向かって車中で仮眠し、朝一から滑りまくるなんてこともやってました。
ところが今は、そんな意欲は全くなし。年に1回から2回行く程度。めったに行かないのに、体はスキー板の使い方やバランスのとり方を忘れてないんですよね。これは、自転車に乗ってなくて久しぶりに乗っても乗れちゃうことと同じです。
これは『手続き記憶』というそうです。何度も字を書いていると書き順は考えなくても書けるようになるとか、好きな歌を歌っていると自然と歌詞を覚えてしまうとか、身体を動かすことで記憶していくんですよね。
だから勉強するときに「手で書く」「声に出す」というのは大事なことなんでしょうね。これは、アンガーマネジメントでも同じことが言えます。
『腹がたったら、まず6秒待ちましょう』と言いますが、すぐにカッと大爆発してしまうタイプの人は、『6秒待つ』ということ自体を忘れてしまうわけです。
子どもへ腹が立ったら身体を動かしてみるといい
そこで初心者のかたにはまず「身体を動かしましょう」ってお伝えしています。次のようなテクニックがあります。
・腹が立ったときに、すぐその出来事や気持ちを一文字ずつ自分の手のひらへ人差し指で指で書く
・グッパーグッパーしてみる
・肩を上下に揺らしたり、腕を振ったりブラブラさせてみる
・背伸びをしてみる
・お腹を凹ませながら、口から息を長く最後まで吐ききる
こういうテクニックをいつも使うようにしていかないと、『手続き記憶』として定着していかないんです。
ポイントは、大爆発するようなときでない小さなイライラのとき。わざわざテクニックを使わなくても過ごせるときに、あえて意識して使っておくことなんです。
スキーでも最初はなだらかな斜面でしか滑ることができませんが、練習を重ねていくうちに中斜面でも対応でき、最後は急斜面、さらにはコブ斜面とステップアップしていけます。
さらに、失敗経験が『手続き記憶』には有効なようです。失敗を繰り返しながらだんだんとできるようになっていくから、身体には強く記憶されます。アンガーマネジメントも身体でまず覚えていくようにすれば、身に付きやすいですよ。
子どもへブチ切れして「あー、また怒りすぎてしまった」って失敗したときがチャンス。そのときに、どんなテクニックを使っておけばよかったか、一度自分を振り返ってみることです。
子どもへ求める要求基準を下げるだけでイライラは減る
アンガーマネジメントは心理トレーニング。トレーニングして自分のものとしていくには、次の手順を踏んでいく必要があります。
①意識してないから、できない
②意識しているけど、できない
③意識していると、できる
④意識しなくても、できる
時間はかかりますが、スモールステップでやっていきましょうね。一度に多くの変化をもとめてはいけませんよ。そして、失敗してもいいですから。あきらめないでください。
さらに、日々の子育てのイライラに振り回されないためには、親の子どもへ求める理想の『こうあるべき』をどんどん捨てちゃいましょう!親の求める子どもへの要求基準がイライラのもとですから。
さて、娘のことにもどりますが、4月から県外の専門学校に行くため、一人暮らしを始めます。父と娘が二人でスキーに出かけることはもう二度とないかもしれない。そんなことを考えて一緒にスキーやっていたら、胸がキュンってしちゃいました(笑)
今できること、今しか楽しめないこと、そこに喜びを感じていれば、子どもへの高い基準の理想なんて必要なくなってきますよ。
アンガーマネジメント、コミュニケーション、子育て
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