岡山コミュニケーション研修講演企画・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
怒らなくても子どもは行動できるようになります!
以前、某電化製品販売店へ行ったときのこと。
親に注意されて素直に子どもは動く?
パソコン不具合の相談で椅子に座って順番待ちをしていたとき、まだ1歳~2歳くらいの幼い男の子がトコトコと小走りで出口へ向かってました。
「ダメよー!戻って来てー!」
と、そのお母さんらしき人の声だけが聞こえてきましたが、どこから子どもを呼んでいるのかはわかりませんでした。
お母さんの呼ぶ声がしたとたん、男の子は止まり、クルッと180°向きを変えてお母さんのいるほうへ戻って行ったのです。
僕「おおー!ダメって言われて、素直に言うこと聞いて戻って行ったで、あの子。」
妻「うちの長男だったら、まず無理だったわー!」
僕「ほんとそうじゃったなあ。追いかけて捕まえんと、どこ行くかわからんかったもんなあ。」
と、僕たち夫婦は子どもの様子を見ながら会話をしました。
親が注意して子どもが素直に聞く。
僕たち夫婦からすれば、これは驚きなんですよ。
うちの子どもは言葉だけじゃ止まらなかったから、親が動いて体を張るしかなかったので、驚きなわけです。
だから親の言葉で素直に言うこと聞いてくれるって、本当にありがたいことだと思います。
子育てで「怒る」を伝える手段に使わないほうがいい理由
子どもが素直に言うことを聞くのを、当たり前って思わないほうがいいですね。
そう思ってしまうと、子どもが言うことを聞かなかったときにどうなるでしょうか?
なんとかいうことを聞かせようとして、言葉は強くなっていきますよね。
結果として、『怒る』という手段を選ぶわけです。
でも、穏やかに子どもへやってほしいことを伝えることだってできるのに、なぜ『怒る』を使ってしまうのか?
それは、手っ取り早いし、即効性があるからです。
さらに、「怒れば言うこと聞くだろう」「怒ればなんとかなるだろう」って、怒ることでその場を乗り切ったり、子どもをコントロールできると信じているからですね。
たしかに命に関わるような危険な場面では、即効性が必要ですが、そうじゃない場面でもすぐに怒りを使うのは、他の伝える方法を捨ててしまうことと同じ。
怒るのは悪いことじゃないけれど、『怒る必要があるのか?怒る必要がないのか?』を適切に判断できるようになりましょうというのが、アンガーマネジメント考え方です。
上手に怒れるようになることが、アンガーマネジメント。
とはいえ子育てにおいては、『怒る』を使って子どもへ伝えるのは、できるかぎり避けたほうがいいと思います。
その理由は?
①怒られないと動かなくなる
②親の顔色を伺い委縮する
③子ども自身が怒るを簡単な伝達手段として身に着ける
これら3つの弊害があるからです。これら以外にも弊害はあると思います。
では、どうすれば『怒る』を使わずに伝えることができるのでしょうか?
子どもの良い行動に親は喜び感謝を伝えればいい
そのためには、親が怒るきっかけを減らすことじゃないかなと思うんですね。
今回紹介した親子の出来事のように、『子どもへ注意すれば子どもは素直に言うことを聞くはず』と、強く信じていると、そうじゃない出来事が起きた時にイライラしますよね。
だからまずは、自分の前提を下げておく。子どもへ求めるハードルを下げておくこと。
我が家がそうだったように、『子どもは言うことを聞かないはず』と設定しておけば、言うことを聞かなくても「まあしょうがな」と思えますし、素直に言うこと聞いて行動できたときには、すごく嬉しい気持ちになれます。
嬉しい気持ちになって「わあー!ありがとう。助かるよ!」って子どもへ伝えれば、子どもだって嬉しいですから、次からの行動の基準となっていきます。
怒られて嫌々行動するというマイナスのループへ入っていくより、喜ばれてまた行動しようとするプラスのループへ入っていくようにするんです。
時間はかかりますが、そうやっていくことで子どもは適切な行動をすることのほうが、自分にとって心地よいことだと学んで身につけていきますよ。
怒らなくても子どもが行動できるようになるには、親の工夫しだいなんです。
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