怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
【話を聴くときは共感的理解をする】
現在、産業カウンセラーの資格を活かして、企業・自治体職員のメンタルヘルス相談や個人カウンセリングの仕事も引き受けることもあります。
産業カウンセラー養成講座では、人の話を聴くことはとても奥深いものであると実感しました。
おかげさまで、傾聴や共感といった技法が夫婦間や親子間でも活かされています。
聴いているつもりで聴いていない
お子さんやパートナーが相談してきたとき、聴こうとしていますか?
聴いてるつもりで聴けていない人が多いんです。
こんなことはないですか?
・相手の顔を見ないで聴く
・途中で自分の意見や結論を入れる
・聴いてるふりだけで、頭の中では違うことを考えている
とくに「自分の意見や結論を入れる」ことが多い人は要注意。
このタイプは、悪気がなくやっています。
相手のためにアドバイスをするのは、基本的に必要ないのです。
子どもを理解するための共感とは?
カウンセリングでは『共感的理解』が重要になります。
この『共感』という言葉。
臨床心理学者のカール・ロジャーズはこう説いています。
クライエントの私的な世界をあたかも自分自身のものであるかのように感じ取り、しかもこの「あたかも・・・のように」という性格を失わないことである。
「あたかも・・・のように」がポイント。
「あたかも子どものように」
「あたかも妻のように、夫のように」
相手の立場で相手の気持ちをあるがままに感じ取ろうとすることなんですね。
でも、実は勘違いしている人も多いのです。
自分の価値基準や好みをもとに判断するのではない
『共感』を『共鳴』や『同情』と勘違いしやすい。
相手の言うことに巻き込まれて同調したり、ご機嫌を取って迎合したりするのではないのです。
あるがままに感じ取りますが、そこに自分を見失って相手の世界に入ってしまうのではなく、自分自身に客観的に戻れることが必要なんですよね。
これは、養成講座で徹底的に練習を重ねてできるようになります。
だったら、カウンセラーの勉強しなきゃ、子どもやパートナーの話を上手に聴けないのか?
そんなことはないですよ。ただし大切なポイントがあります。
①相手の顔を見る
忙しくても、ちょっと立ち止まって聴いてやってくださいね。
どうしても手が離せないときは、何かをしながらでも時々顔を向けてやってください。
②あいづちを入れる
「へー」「ほー」「ふーん」「そうか」「そうなのー」「うんうん」といった言葉と、うなづく動作をいれましょう。
聴いてもらっているって実感がわきます。
③オウム返しをする
相手の言った言葉をそのまま返せばいいです。
相手「今日は学校でしんどかったんだ。」
自分「そうかあ、しんどかったのかあ。」
あいづちに続けて入れると効果的。
忙しくて何かをやりながらでも、これらはできますよ。
でも、疲れていると余裕がなくなります。
そんなときは、ついイライラして
「今は無理!ちょっと後にして!」
って、そっけない態度や自分のイライラをぶつけてしまうことに。
すると、子どもは話をする機会を失ってしまいますし、親に気を遣うことばかりしてしまいます。
そんなことを防ぐには、アンガーマネジメントを学んでおくといいですよ。
アンガーマネジメント、コミュニケーション、子育て
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