怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
あなたは子どもの「努力」を褒めていますか?
それとも子どもの「能力」を褒めていますか?
子どもの「結果」を褒めていますか?
子どもの「努力の過程」を褒めていますか?
「〇〇大学へ入れました!」「テストで満点取れました!」と、親が大喜びしていること。
もちろん喜んでいいんです。嬉しいですから。
ただ、それが知らず知らずのうちに、親子の目標になってしまうことは危険なこと。
こういったことを『パフォーマンス・ゴール』といいます。
学習の結果として表われる成績や、周囲からの称賛を目標とすること
逆に、結果がどうであれ、子どもが学習することを目標としたり喜びとすること。
こういったことを『ラーニング・ゴール』といいます。
学習した結果でなく、学習そのものを目標と捉えること。
能力を褒めるより努力を褒める
そもそも、褒めなくても子どもは健全に育っていきます。
褒めることは大事なことですが、褒めるというより、子どもを認めていれば大丈夫。
褒めることに力を注ぎすぎると、褒めなくてもいいことまで褒めるようになってしまいます。
当たり前のことをしたときに褒めると、おだてることになりがち。
当たり前のことをしたときには、『感謝』『喜び』を伝えるだけでいいんです。
この本に書かれている実験で驚くべき結果が!
著者のスタンフォード大学の心理学教授キャロル・S・ドゥエックは次のような実験を行いました。
思春期初期の子どもたち数百人を対象に実験。
全員に、非言語式知能検査のかなり難しい問題を10 題やらせました。
ほとんどの生徒がまずまずの成績。
終わった後でほめ言葉をかけます。
その前に生徒を2つのグループに分けておきました。
一方のグループでは『能力』を褒めました。
「まあ、8問正解よ。よくできたわ。頭がいいのね」
もう一方のグループでは『努力』を褒めました。
「まあ、8問正解よ。よくできたわ。頑張ったのね」
グループ分けした時点では、両グループの成績に差はありませんでした。
しかし、褒めた後の行動に大きな差が出たのです。
次に取り組む問題を選ばせました。
『能力』を褒められた生徒は、新しい問題にチャレンジするのを避けました。
『努力』を褒められた生徒の9割は、新しい問題にチャレンジしました。
こうなれば、これから先どうなるかわかりますよね?
新しい学びをチャレンジしなければ、自分の才能を伸ばすことにつながらないわけです。
親や先生の褒め方ひとつで、子どもの人生を大きく左右してしまうんですね。
結果ばかり求めている親は子どもの才能を潰している
さていよいよ、1学期の三者懇談の時期。
中学生なら、この時期に受験校についての話も出てきます。
当然、第一志望合格を目標にしますよね。
でも、思うようにいかないこともあります。
第一志望合格=成功
第一志望不合格=失敗
こういう捉え方すると、子どもは大きく傷つきます。
思い通りの結果にならなくても、そこへ向けて努力したことが素晴らしいのです。
親は子どもの努力を認めてやってください。
人生は思うようにいかないもの。
自分の描いたとおりの人生送っている人って少ないですよね?
壁にぶち当たったり、途中で方向転換したり、その都度いろんなことを考え、乗り越えていくのが人生。
思うようにいかなくても、そこで学んだり得られた経験が自分を成長させ、人生をより味わい深いものにしてくれるんです。
だから、子育ても同じです。親が描いたとおりに子どもは行動してくれません。
それは、子どもも一人の人格ある人間だから、親とは違う人生を歩んでいるのですよ。
子育てで失敗したって思うより、そこで親は何を学ぶか?
そう思って、また次へと活かしていけばいいです。
いつからでも育てなおしはできると僕は信じています。
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