親の怒り方は子供のモデル?子供を怒れば怒るほど暴力的になる
怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師
いなっち先生こと稲田尚久です。
ある小学校で以前アンガーマネジメント講演をさせていただいたとき、校長先生がこんなことを言われました。
「今日のお話は、どうしても聴いてもらいたいお母さんがいるんですが、やはり来られていませんでした」
残念そうな表情を浮かべながら、続けて言われた言葉が忘れられません。
我が子に対して厳しく育てることの何が悪いんですか!?
「実はそのお母さんのお子さんはまだ小学校1年生なんですが、学校ではカッとなると友達へ暴言や暴力をふるうんです。家でもお母さんからきつく怒られたり、時には叩かれたりすることがあるようなので『子どもさんへの怒り方を少し気をつけたほうがいいですよ』とお伝えしたんですが、お母さんはこう反論されたんです」
「私も親から厳しくしつけられ、時には叩かれたりして育ってきました。だから我が子に対して厳しく育てることの何が悪いんですか!?」
と、校長先生は教えてくれました。
僕もすごく残念な気持ちになったことを覚えています。
親が怒って子育てすれば子どもは友達へ怒りを使うようになる
そりゃ子どもが学校で暴言や暴力をふるいます。
さらに悪いことに、学校で友達へ暴力ふるうとさらにお母さんがきつく怒るそうです。
これはもう、負の連鎖。
お母さんがいくら怒っても、きっと子どもの乱暴な言動は直らないでしょう。
むしろひどくなっていく一方だと思います。
お母さんが『怒り』を使って、言うことを聞かせようとする。
それを子どもも自然と身につけていきます。
気に入らないことがあったとき『怒り』を使って、友達に自分の言うことを聞かせようとするわけです。
怒って相手が言うことを聞くという体験をすれば、また同じことを続けようとします。
こうやって子どもは親のやり方をモデルにしていくんです。
アンガーマネジメントで怒りの連鎖を断ち切る一人になる
怒りは高い所から低い所へぶつけられます。
強いものが弱いものへぶつけます。
さらにぶつけられた怒りは、また誰かにぶつけたくなります。
その対象は自分より弱い立場の人や、自分の身近な人へ。
お母さんからぶつけられた怒りを友達へぶつける。
きっとぶつけられた友達もどこかへぶつけたくなるでしょう。
怒りは連鎖していく。
だからこそ、怒りの連鎖を断ち切る。
それは、子どもも親も。
どこからでもいいと思っています。
とにかく一人でも二人でも、アンガーマネジメントできる人が増えれば、怒りの連鎖は断ち切れると信じて、今日も講演に行ってきます。
今日は神戸市立鈴蘭台中学校で保護者対象。
今週はさらに、高校生、県職員、保護者へお伝えします。
アンガーマネジメント、コミュニケーション、子育て
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