学力向上に教員の給料が関係ない!子供の目線に立って見ること
怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師
いなっち先生こと稲田尚久です。
「開いた口がふさがらない」
とは、こういうこと。
全国学力テスト結果を校長や教員のボーナスに反映?
大阪市の吉村洋文市長の発言。
もう多くの方が知られているでしょう。
全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の順位が、昨年に引き続いて政令都市の中で最下位になった大阪市。
市長は「抜本的な改革が必要」として、学力テストの数値目標の達成状況に応じて、なんと校長や教員のボーナス、さらに学校に配分する予算にまで反映させると言っちゃいました。
おいおい、正気か!?
給料を上げるために仕事を一生懸命している教員はいない
教員も労働者ですから、給与をもらうことは大切です。
でも、給与を上げるために必死に子どもへ向き合っているわけじゃない。
目の前に人参ぶら下げられたから頑張る。
そんな教員がいたら、それこそダメでしょ?
それに、心が荒れた子どもたちの授業放棄や家出などに根気よく対応されてる先生がいたとしてもテストの点数が上がらなければ、先生は報われないのでしょうか?
数年前、岡山県では『がんばる学校応援事業』という制度ができました。
がんばっている学校へ、県から100万円プレゼント。
なんじゃそれ!?
どこの学校も頑張ってます。
「そんなものはいらん!」
と突っぱねた市もありました。
多くの管理職や教員が反対や不満を言ってました。
でもある学校では、100万円もらうのが名誉だと思っている校長もいたんですよね。
ビックリでしたよ。
勉強できない子供の背後を見なければいけない
大阪市の吉村市長、いわゆるエリート街道まっしぐらのかた。
きっと、勉強できない人の気持ちがわからないんです。
だから教員が教え方をもっと工夫すれば、子どもの学力は上がるという短絡的な考え方になる。
もちろん、ある程度の学力がある子どもは、少しヒントを与えることでグーンと伸びます。
ところが、そうじゃない子どももいるんです。
それは先日のブログへ書きました。
⇒学力向上に学校は限界!全国学力テストの順位より大切なこととは
さらには家に帰っても、ゆっくり宿題できる環境じゃない子どももいるんです。
親に甘えたくても、甘えられない。
子どもとゆっくり関わりたくても、関われない。
いろんな事情を抱えている子どもや親がいるってこと。
子どもの目線に立って見ることから始めてみる
今回の吉村市長の発言。
子どもや家庭の状況を見たうえで発言されているようには思えません。
自分は努力すればできたのに、なぜできない子供が多いのか?
なぜ、大阪市はこんなに低迷しているのか?
市長として『恥ずかしい』という気持ちが一番なのでは?
これは、我が子の成績が低迷しているときの親の気持ちと同じ反応。
「なんで、こんなこともできないのか?」
これでは、子どもは苦しみます。
子どものできない辛さや苦労をまず受け止めなきゃいけません。
大人になるにつれて、子どもの時の気持ちを忘れます。
まして、自分ができる人間だったら、なおさら子どもの辛い気持ちがわかりにくいです。
親は木の上にたって見守ること。
でも時には木から降りて、子どもの目線に立って見ることも大切。
それは人の上に立つ人ほど、必要じゃないでしょうか?
できれば一度地面に顔を引っ付けて、物事を見るくらいのことをしたほうがいいですよ。
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