怒りの取り扱いアドバイザー
いなっち先生こと稲田尚久です。
罪を犯してしまう子どもたちは
おなかをすかせている
そう言われるのは
罪を犯した少年少女の
立ち直りを支えてきた女性
中本忠子さん(82歳)
1月7日放送NHKスペシャル
ばっちゃん
~子どもたちが立ち直る居場所~
中本さんは保護司を引退した後も
自宅を開放し、親身になって
少年少女の相談にのっています
少年少女たちからは
「ばっちゃん」と呼ばれています
そこへ集まってくるのは
貧困で育児放棄された
家で食事をとれない
親から虐待されている
さまざまな事情を抱えています
「腹減っとたら、
思考能力とかも落ちるじゃないですか
それで、イライラしとってそれでもう、
なんでもいいやみたいなとか
これぐらいいいじゃろって
あんまり考えなくなる」
そこへ来た少年が言っていました
ばっちゃんもこう言います
腹が減ったときっていううたら
みんな悪さをすることしか頭にない
女の子じゃったら売春ね
男の子じゃったら
カツアゲ、ひったくり、万引き
おなかがすいたときで
考えるいうたら
それしかない
40年の保護司の経験から
ばっちゃんは言われています
番組を見ながら悲しみと
怒りと涙がこみ上げてきました
子どものお腹を満たす
親として当たり前だと思っていたこと
でも、それが当たり前じゃない
ここに来る子どもたちは
ばっちゃんによって
なんとか人間らしく生きる
ということができているんですよね
犯罪を犯した少年少女
再犯率も高く
受け入れる場所も少ない
だから、ばっちゃんの存在は大きく
そこは安心できる場所
この番組に出てきた
マコトという少年
母親は再婚
新しい父親には
マコトと同じ年の連れ子がいて
新しい家族とは会話がなかった
マコト「家帰ってもすることないけ、寄ってみたら、ばっちゃんおったけ」
ばっちゃん「ばっちゃん家に来るのは、怒られに来るんよの?」
すごく印象的でした
結局マコトは少年院で
1年以上過ごすことになります
子どもは親に関わって欲しい
無視される
放ったらかしにされる
それが一番辛い
その反動が問題行動
問題行動起こせば
親から厳しく怒られる
親は怒ってもいいんですが
子どもを温かく受け止める
土壌がなければ
子どもに良い影響は与えません
受け止める土壌がない
悪いパターンになると
怒鳴るだけ
殴るだけ
無視するだけ
そしてさらに
親子関係は悪化し
子どもはまた問題行動に走る
グルグルと同じことの繰返し
子どもを受け止める
温かい土壌
その土壌づくりが
本来は親の責任なのですよね
番組スタッフ「ばっちゃんちは、どんな感じ?」
マコト「う~ん・・・。いい感じ」
子どもにとって居心地のいい家とは
マコトの言うように
言葉で「これだっ!」
て言えるようなものじゃなく
なんだかよくわからないけど
「いい感じ」
で過ごせる場所なんだなって
あらためて感じさせられました
我が子が親の目の前で
ダラダラ過ごせる
それは安心できる家庭だから
そう思えば
子どもにイライラする事も減りますよ
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