怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
2025年大阪万博が決定しましたね。55年ぶりの大阪開催。前回の大阪万博のときに生まれた僕は55歳で初めて体験できるわけです。ワクワクしますね。
未来を生きる子どもは感情を大切にする力が求められる
僕が生まれた1970年は、高度経済成長期の終盤。僕の記憶にはありませんが、高度経済成長期は『巨人・大鵬・卵焼き』と言われた時期だったようです。この時期は、三種の神器と言われた『白黒テレビ・冷蔵庫・洗濯機』が各家庭に普及。そして僕の生まれたころには『カラーテレビ・クーラー・車』となっていたようですね。
このころは、家族で1台のテレビを家族みんなで見る。電話だって、家電話しかない。家族みんなで一つのモノを使っていました。だから、価値観も共通なことが多かったわけです。
だから当時を知る人からすれば「今の若者や子どもはこのままどうなっていくのか心配だ」と言ったことを耳にします。今は、価値観が多様化していますし、いろんな情報を好きなように得られます。さらにいろんなことがスピード化され正確さを求められる時代ですから、心配されるのも無理もないと思います。
でも、人間の持つ『感情』だけは、どんな時代でも変わらぬものじゃないかなあって、僕は思うんですよ。価値観が多様化しようとも情報があふれようともあらゆることがスピード化されようとも、感情は切っても切り離せないものではないでしょうか?
時代の変化がどうであろうと、人は感情を大切にしていかなくちゃいけない。それは今までよりもっともっと、これからの未来を生きる子どもは大切にしていく必要があるのではないでしょうか?だって、高度経済成長期の集団や全体を大切にする時代から、個人を大切にした自分らしい生き方が求められる時代だと思うからです。そして、人と人の関係性をもっと温かくより良いものにしていくことが求められますよ。
時代は変わっても感情は変わらないからアンガーマネジメントは必要
それを感じさせられたことが、3年前に京都の鈴虫寺へ行ったときのこと。鈴虫寺の正式な名称は「妙徳山 華厳寺」。なぜ鈴虫寺かというと、四季を問わず、1年中お寺の中で飼っている鈴虫が鳴いているから。その数、約6000匹。
このお寺には、幸福地蔵菩薩というお地蔵様がいらっしゃいます。このお地蔵様は、わらじを履いているんです。お地蔵様はお願いをした人のところへ、願いを叶えたり、救いに行くために履いているそうです。前年にお願いをしたので、お礼も兼ねて行きました。
さらに鈴虫寺の魅力は、ご住職の説法なんですよ。お茶とお菓子をつまみながら聴きます。このときのお説法が、アンガーマネジメントの考え方につながり、とってもためになりました。
説法では二つのことを言われました。まず「和顔愛語」(わげんあいご)。その名の通り「和やかな顔(表情)」と「優しい言葉」ということです。「和やかな笑顔で優しい言葉をかければ、自分も相手も幸せにすることが出来る」ということなんですね。コミュニケーションが希薄な時代と言われる今、まさに求められることですよね。
次に「脚下照顧」(きゃっかしょうこ)。「脚下」は足元で「照顧」は反省しよく考えるとか、よく見るということです。「自分の行いをよく見なさい。」または「自分を見失ってはいけない。」という意味になります。情報があふれる時代だからこそ、本当に必要な情報を取捨選択する。そのためには、自分を見失わず、自分を大切にする生き方をするということ。
説法が終わって、歩きながら妻が「アンガーマネジメントの考え方に通じるよね」と言って、確かにその通りだなあと思ったのです。アンガーマネジメント的に考えてみると、「和顔愛語」は、自分が笑顔に変わることで、まわりが変わること。アンガーマネジメントを意識して行動し、自分を変えることでまわりが自分への接し方を変えていくということ。「脚下照顧」は、自分の感情を客観的に見て、感情に振り回されないことなんですね。仏教の世界では、もうすでに感情コントロールが行われていたんでしょう。先人達の知恵は素晴らしいですね。
2025年大阪万博のとき、アンガーマネジメントがもっと認知され、共通言語になっていることを願ってやみません。
アンガーマネジメント、コミュニケーション、子育て
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