岡山コミュニケーション研修講演企画・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
娘が高校生のとき、1学期の終業式から帰ってきたときのこと。
「終業式メッチャ長くて、1時間もかかった」
この時期に1時間体育館。
そこまでやる必要があるの?
やる目的は何?
生徒の記憶に残らない終業式ならやる意味ない
終業式は、校長先生や生徒指導担当の話が定番。
大切な話は体育館でじゃなきゃ伝わらないのか?
そんなことはないでしょう。
放送でやる学校もありますからね。
娘の高校は、表彰伝達もあって長引いたようです。
さあ、そこまで重要な話をしてくださったのなら、娘もしっかり覚えてくれていることでしょう。
どんな話だったの?
「とにかく校長先生は長かっただけ」
「生徒指導の話は、まじめにやっている人にはわかりきったことばかりで、ハッキリ言って迷惑」
チーン・・・。
記憶に残らない。
残ったのは「長かった」「暑かった」「迷惑だった」だけ。
生徒の記憶に残らないのでは、体育館で終業式やる意味ないです。
不快な出来事は記憶に強く残る
感情を伴う出来事は記憶に残りやすいと言われます。
脳の中で『快・不快』を感じる部分が偏桃体。
偏桃体は『怒り』も感じますよね。
偏桃体の近くにある海馬。
これは記憶に関する部分で、感情と記憶は密接な関係があるとか。
だから「楽しかったー!」ってこと、覚えてますよね。
でもそれ以上に記憶に残るのが
「嫌だった!」
「怖かった!」
「悲しかった!」
「腹が立った!」
といった『不快』。
『快』よりも『不快』な出来事の方が記憶に強く残ると言われています。
子どもは不快を取り除こうと必死になる
だから、校長先生の話も生徒指導担当の話も残らなかった娘。
「長かった」「暑かった」「迷惑だった」
という不快だけが強く残りました。
さらにやっかいなことに、不快な出来事に遭遇すると頭の中でこんなことを考えます。
「面倒くさい」
「うざい」
「嫌い」
そして、それを口に出すことが多いですよね。
「今日の終業式、長くて面倒くさかったよね」
そういった言葉は、自分の耳を通して聞こえます。
すると、偏桃体はまた『不快』と感じます。
『不快』と感じれば、またそれを考えて口に出す。
どんどん不快な記憶が強化されてしまうのです。
そうなってしまうと
「終業式って、どうせ校長の長い話と、どうでもいい生徒指導の話だから、聞きたくない」
ってことに脳の潜在意識の部分が働きます。
子どものやる気を引き出すには不快よりも快を大切にする
だから、終業式が始まる前からやる気はなくなる。
子どもはもう無意識に話を聞く行動をとらない。
話を聞くよりも、いかに嫌なことをシャットアウトするかに力を注ぎます。
自分の『不快』を取り除きたいですから。
だからこそ、連日の猛暑では工夫がいるのです。
不快を子どもへ無理やり経験させる必要はありません。
子どもがやる気を出すには不快よりも快を大切にすること。
これは、先生だけでなく親も意識したほうがいいですよ。
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