怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
お彼岸なので自分の実家へ墓参りに長男を除く家族4人で行ってきました。
実家は標高約550mの高いところなので、なんとまあ雪景色。
さて実家へ帰ると、たまに母親が「尚久は娘には甘いけえなあ。甘やかしすぎじゃ」みたいなことを言うことがあります。
これにはとっても違和感を感じますが、いちいち反論するのも面倒くさいので「はいはい」とスルーをスル~っとしておきます(笑)
「甘やかす」ことと「甘えさす」ことは違うんですよね。これついてはたびたびブログで書いてきましたので、まだご覧になってない方はこちらからどうぞ。
➡可愛がられると強くなる!子どもを甘えさせるだけで心は強くなる
➡子供を甘えさせる!親へ甘えられる子供は人へ頼める大人になれる
経済格差より、しつけスタイルが子どもの学力差となる
『学力格差は幼児期から始まるか?』
〜保育と子育ては子どもの貧困を超える鍵になる~
内田伸子
引用元➡江戸川大学学術リポジトリ
この論文によると、経済格差が子どもの読み書きの力や語彙力に関連しているのではなく、親の子どもへの関わり方が関連しているそうで、しつけスタイルで語彙力が大きく変わると書いています。
①共有型しつけ
子どもとのふれあいを重視し、子どもとの体験を共有するしつけ。
子どもに考える余地を与える言葉がけが多い。
②強制型しつけ
大人中心のトップダウンのしつけや力によるしつけ。
禁止や命令口調の言葉がけが多い
どちらのしつけスタイルが子どもの語彙力を伸ばしていると思いますか?
ズバリ『①共有型しつけ』なのです。
怒られた子どもの脳は記録力が低下する
子どもをきつく怒れば、子どもは恐怖や不安を感じますが、そのことについても論文へ次のように書かれています。
論文からの引用
脳科学でも強制型しつけのもとで記憶力が低下してしまう証拠が見出されている。
大脳辺縁系のストレスを感じる「扁桃体」で緊張や不快を感じると,記憶を司る「海馬」で失敗例がよみがえり,ほかのことを考えられなくなり,頭が真っ白になってしまうのである。
僕も経験がありますが、怒られないようにという気持ちの方が強くなり、チャレンジするよりも無難にこなせることの選択をする癖が大人になってもありました。
それくらい幼いころ親からきつく怒られるという『不快』な経験は、脳へ大きな影響を与え、自分の行動にまで影響を及ぼしていくわけです。
逆に、幼いころから親子での関わりで『快』の経験を多く重ねていけば、脳へも良い影響を与えるようです。
論文からの引用
受験偏差値68以上の大学・学部を卒業して難関試験(司法試験や国家公務員試験,調査官試験,医師国家試験など)を突破した娘や息子を
もつ親は子ども時代に思いっきり遊ばせたという回答が有意に多かった。
さらに,親は子どもと楽しい時間をいっしょに過ごすことが多く,子どもの好きなことに集中して取り組ませたと答えている。
絵本の読み聞かせも十分に行っている。
子どもと親が一緒に楽しんだり、感情も共有できたりって、すごく大事なことですよね。
子どもの語彙力が高くなるには親子で楽しい体験を共有
今回紹介した論文を読んでみて、子どもの語彙力が高くなるために大切なポイントは次の2つかなと感じました。
・共有型しつけスタイルをとるのに収入は関係ない
・親が子どもと対等な関係で触れ合いを重視し、楽しい体験を共有する
さて、今回のブログをご覧になって、「あー!うちの子どもは手遅れだ!」と思わないでくださいね。
子育てに手遅れなんてないですから。もし自分のしつけスタイルがまずかったと思ったなら、今からでも子どもへの関わり方を変えることで、少しずつ良い変化が表れてくると思います。
親が変われば子どもも変わります。時には子どもへの関わり方を点検してみてはいかがでしょ?
しつけという名のもと、親の都合や機嫌だけで叱っていませんか?
親の理想「こうあるべき」を子どもへ押しつけていませんか?
僕のアンガーマネジメント講演や座談会に参加された親御さんには、子どもへの関わり方をもう一度見つめ直してみようと気づかされた方も多くいらっしゃいます。
アンガーマネジメントを学ぶと、怒りと上手につきあえるだけでなく、他人の価値観を受け入れることの大切さに気づくこともできます。
日頃いかに自分の思いこみにとらわれているかもわかります。ぜひ受講してみてくださいね。
アンガーマネジメント、コミュニケーション、子育て
子どもから大人まで、岡山発どこへでも
研修や講演のご相談はお気軽にどうぞ!
数人の子育て座談会から企業研修まで対応
企業での社員カウンセリングも対応
この記事へのコメントはありません。