思春期は反抗するからと簡単に片付けてはいけない
「思春期を迎えた我が子がぶっきらぼうだ」「口答えがひどい」「生意気なこというから腹立つ」
そういったことでお悩みの親御さんも多いかと思います。でも、それが「思春期だからしょうがない」と、簡単に片付けて欲しくないのです。
ちょっとしたことを意識すれば、お子さんとの関係はより良くなるのです。我が子にイライラしている親御さん、すこし冷静になって読んでみてくださいね。
怒りは第2次感情
私たちの怒りやイライラは、どこからやってくるのでしょうか?
同じ出来事でも、腹が立つ時とそんなに腹が立たない時があるのは、なぜなのでしょうか?
怒りの感情は、急に沸き起こるものではないのです。
怒りが沸き起こるまえに、準備されていることがあるのです。
私たちの心の中にコップがあると思ってください。
毎日の生活で、心のコップへ「疲れた」「悲しい」「つらい」・・ネガティブな感情がたまっています。そのネガティブ感情を1次感情と言います。
1次感情がコップにいっぱいになってバッシャーンとあふれるときが『怒り』なのです。
だから、怒りは第2次感情というわけです。
ということは、コップの中身が空っぽだったり、1次感情が少ししか入っていない時はあふれ出しにくいですから、怒りにくい。
思春期の子どもは、身体的にも精神的にも成長の幅が大きく、自分でやってみたいことの欲求も高まりますし、自分の価値観や考えもはっきりとしてきます。
そんな中で、自分のことを見つめたり、他人との人間関係で悩んだり、さまざまな葛藤をする時期でもあります。勉強も難しくなりますし、自分の進路や将来のことも具体的に考えなくてはいけません。
そうなれば、心のコップへは日々、第1次感情がたまっていきますよね。この怒りの起きる仕組みをわかって、親・教師だけでなく、私たち大人は接していくことが大切だと思います。
大人も子どもも心のコップを察してみる
大人でもそうでしょ?
仕事で疲れた時、仕事がうまくいかなかった時、イライラしますよね。
心のコップへに溜まった第1次感情が今にもあふれそうな時、コップを揺らされるきっかけがあると、バッシャーンとあふれて怒りにつながります。
思春期の子どもも、教師の不用意なひと言で切れさせてしまう。そんな光景も見たことがあります。
ただし、「思春期だから反抗するもの」「思春期だからしょうがない」と、すべてを片付けてしまうことは危険です。
もちろん、イライラすることは子どもたちにとって多いです。ただ、すべて「思春期」のひと言で片付けてほしくないのです。だって、うちの子どもたち、口を荒らしたり、暴れたり、モノ壊したり・・・してませんから。
親に対して、そっけない態度とったり、一緒に行動したくなくなったりといったことはありましたけどね。
思春期の子どもは『心のコップへ第1次感情をためやすい』と意識しておくことのほうが大切です。
息子がイライラして家に帰ってきているのに「宿題したの?」とか「なに怒ってんのよ!」といった声かけは火に油を注ぐようなものです。
こんなときは、「心に何がたまっているのかな?」「友達と何かあったのかな?」「部活動で疲れたのかな?」と察してやることで、言葉がけも自然と穏やかになるのではないでしょうか。
こういった、怒りの感情が起きる仕組みを知っておくことも、私たち大人にとって大切なことなのです。
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