子どもの気持ちを無視してダメ出しする母親
某公園の駐車場で仕事の時間調整をしていたときのこと。
しばらくすると「もうー!そんなこと言われてもできん!」とか「もうー!」といった怒ったような子どもの声が聞こえてきたのです。
声の方向を見てみると、小学生で低学年らしき男の子が自転車の練習で駐車場をグルグル周回していました。
お母さんは駐車場の端っこに座って、時々その男の子へ声をかけていましたが、これがまたなかなか気合が入っていました。
お母さんと男の子のやりとりが、「う~ん・・・、ちょっとなあ~・・・」と、残念な気持ちになってしまいました。
母「そがなことじゃけ、根性がないんじゃ!行け!」
子「上手くできんのじゃがな!」
母「だったら素直に聞け!」
子「もうー!だって#◇$*%△✕・・・(ブツブツ一人で何か言ってます)」
母「素直に聞け!口答えすんな!」
男の子はイライラしながら「ああー!もうー!」とか、ブツブツ言いながらでも何周も回って諦めずにこぎ続けているんです。
でも母親は、僕が見ていた間はずーっと座ったままで、時々片手のスマホを見ながら口だけでのと指示。
男の子が母親の近くで止まろうとしていました。
母「そこでよろしい」
子「どこ?」
母「そこ!」
子「どこ?」
母「だからそこでよろしい」
子「どこ?」
母「そこでいいって!」
そしてまた男の子は、停止した場所から自転車をこぎ始めましたが・・・。
母「そうやってこがんで!こがんでもいくけえ(進むから)」
子「やっとる!」
母「やっとらん!ブツブツ言わんですぐする!」
しばらくまだ、こういったやり取りを続け、その親子は帰っていきました。
親子のやり取りを見ながら「はあ~」って、僕のほうがため息と疲れを感じてしまいましたよ。
自転車に乗れるようにさせてやりたいという気持ちはよくわかりますが、もっと別の言い方が関わり方をしてほしかったなあ。
でももしかしたら、このお母さん自身が家事や仕事、子育てで精一杯で余裕がなかったのかもしれません。
または、このお母さんご自身も、自分の親から同じようなことを言われて育ったのかもしれませんね。
それにしても、お母さんにガミガミ言われながらも、それでもくじけることなく自転車をこぎ続けた男の子もすごいと思いませんか?
親自身に余裕がなければ、子どもにあれこれ言わなくていいんですよ。
それよりも『共感』をすれば、簡単に子どもの気持ちに寄り添えるし、子どももやる気を出せます。
ところが『共感』をしてもらえないまま成長していくと、厄介なことが思考の基準になっていくので心配になることがあるのです。それはどんなことなのか?
次のページへ続く。