逆ギレする子どもは、基本的信頼感が育っていない。
岡山コミュニケーション研修講演企画・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
独占欲の強い子どもは、親を信じる力が育っていないと女子トラブルの原因!親を信じる力が育ってないから嘘をつく
と、前回のブログへ書きましたよね。
これは、親子の間で『基本的信頼感』が育っているかどうかということに関わっていて、今は亡き児童精神科医の佐々木正美さんの子育て理論にもよく出てくる言葉です。
子どもを怒るより悲しみの気持ちを伝える
子育てをしていれば必ず、叱る場面に遭遇しますよね。叱ることについて、佐々木正美さんの本に書かれています。
When shared, joy is doubled and sorrow halved.
~分け合えば喜びは二倍に、悲しみは半分に~
英語のことわざです。
嬉しいことがあると、友人や家族に知らせれば一緒に喜べるし、悲しみを知らせればそれを共有することで悲しみが癒されるという意味だそうです。
子どもに「ダメダメ!」ばかり言っても、子どもは禁止されればされるほどやりたくなるもの。
それならば、ダメだということをやらなくなったら喜んでやる。
ダメだということをやってしまったら悲しんでやる。
「大人の悲しみは子どもに伝わる」と佐々木さんは書いています。これって、教育現場でも同じですね。
問題行動を起こした生徒に、「なんでまた、同じことしたんだ!!」と言うよりも、「またやってしまったか。先生はあなたが反省していたことを信じていたから、つらいなあ。」と、気持ちを伝える方が、こちらの想いが通じたなあと思うことがよくありました。
基本的信頼感が育っていない子どもは逆ギレしやすい
『基本的信頼感』が育っている生徒は、自分の過ちを叱ってくれる人を信じられます。
ところが、ちょっと注意しただけなのに、過敏に反応して怒る生徒もいます。いわゆる【逆ギレ】です。
もちろん、思春期ともなれば反抗的な態度をとるのも当然ですが、「うるせえんじゃあー!」と、ものすごい勢いで興奮して罵声をあびせてくる生徒の場合は、「思春期で反抗期だから」で片付けられません。
人を信じる力が育っていないから、自分を叱る大人を信じられない。
だから、自分は否定されたととらえてしまう。極端に言えば叱る人を敵と思ってしまうんです。
そういう子どもは、きっと幼い頃に基本的信頼感を十分身につけさせてもらえなかったんだろうなと想像できます。
スキンシップをいっぱいしてもらった子どもは逆ギレしない
佐々木さんはこの本で次のように書いています。
人間は人を信じることができなかったら、自分を信じることができないんです。
人間が最初に人によせる信頼の原型は「母親的な人」に対するものだと言ってよいでしょう。
子どもがお母さんを信じられるということを、心理学の用語ではお母さんに対して「愛着」を形成するといいます。
愛着。英語ではアタッチメントです。無条件に十分に愛されることによってできるものです。
おんぶ、抱っこなど、子どもの体へふれることがどれだけ大切か?
その影響は思春期になってあらわれてきます。
なぜなら、子どもは成長過程で満たされなかったことを必ずどこかで取り戻そうとするからです。
思春期になってからでは、スキンシップとらせてくれないですよ。
ですからここから取り戻すのは、かなりの時間と労力が必要です。
幼い子どもを抱える親御さん、これから子育て始める親御さん。
疲れて大変なことも多いですが、どうか子どもにいっぱい触れてやってください。
それだけで、子どもは健全な成長をしますから、ぜひ『基本的信頼感』を育む関わりをしてほしいです。
アンガーマネジメント、コミュニケーション、子育て
子どもから大人まで、岡山発どこへでも
研修や講演のご相談はお気軽にどうぞ!
数人の子育て座談会から企業研修まで対応
企業での社員カウンセリングも対応