あなたは自分の言葉で、子どもの行動支配しているかもしれませんよ!
岡山コミュニケーション研修講演企画・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
妻と電車へ乗ろうとしたときのこと。
子どもへイライラして言うお父さん
自動改札へ入る前、僕の目の前に親子らしき体格のいい男性と5歳前後に見える女の子がいました。
男性は女の子に先に改札を通るよう言いましたが、女の子は自分の交通系ICカードを持って改札の手前で立ち止まってしまいました。
どうやらICカードを使って改札を通るのが初めてのようで、「怖い・・怖い・・」と言い続けました。人もたくさん通り過ぎていくので、それも怖かったかもしれませんね。
グズグズしている娘さんにお父さんは「怖くないわ!早く行け!」と、イライラしながら声をかけていました。
それでも娘さんは、「怖い~怖い~」と言って止まっていました。
後ろで待つ人の数が少しづつ増えてきて、しびれを切らしたお父さんは「あーもう!先に行くぞ!」と言って、娘さんを置いて改札を通り抜けて行ってしまったのです。
そして、娘さんの方を振り向いて「後ろの人が詰まっているから、早くしろ!」と言った途端、娘さんは改札に入らず横の窓口のある通路へよけていってしまったのです。
並んでいた僕も、後ろに人が続いていたので、その女の子が横へよけるのを見届け、すぐ改札を通り抜けました。女の子のことが気になりつつも、急いでいたので、立ち止まらず電車へ向かったので、その後この親子がどうなったかわかりません。
電車に乗って、この出来事を妻と振り返りました。
僕「あの場面で、娘に無理やり自分でやらせる必要はないじゃろ?」
妻「うん、無理やり一人でやらせる必要がある場面だと、私も思わないよ。」
僕「ああやって、子どもが不安になっているときに、無理に『怖くない!』と親が言えば、子どもは『私は怖いことを乗り越えられない人』という意識が植えつけられてしまうと思うよ。」
妻「”怖い”と言った自分の言葉が親に受け入れてもらえないって悲しいことだよね。子どもに自分で経験させることは大切だけど、やり方を丁寧に教えずに、大勢の人が後ろに続いている場面でさせることじゃないよね。子どもへ与える影響を考えると、メリットよりもデメリットの方が大きいわ。」
あなたはどう思いましたか?
親の言葉が子どもの思考と行動へ影響
親が子どもへ経験を積ませることはとても大切なことですが、それは子どもの気持ちや状況を踏まえたうえで、経験させていくことだと思います。
自動改札でICカードを当てるという経験をさせたいのであれば、子どもが戸惑ったときに一緒にカードを当ててやる。それで、少しずつ子どもが慣れていけばいいのですよ。
もしかしたら、そういう事前の経験もあったのかもしれません。僕にはわかりません。
どちらにせよ、大勢の人がいる場では、雰囲気だけでも威圧感があるし、子どもにとってはすごいプレッシャーとなります。
僕は幼い頃から親に「尚久は、肝がこまい」と、よく言われたものです。
「肝がこまい」というのは、「気が小さい」という意味。
自分が勇気を出せないときに、そうやって親から言われていると、自然と自分で自分の性格を決めつけていきます。
「僕は、気の小さい人間だ。だから、勇気を出して乗り越えられないんだ。」って。
これは、自分の潜在意識に刷り込まれていきますから、いざというときに体が動かなくなっていくのです。
親が子どもへ言う言葉。それは、子どもの思考と行動へ影響を及ぼします。
子どもの行動は、親の言葉で変わるんですよ。
あなたの言葉は、子どもに勇気を与えていますか?
アンガーマネジメント、コミュニケーション、子育て
子どもから大人まで、岡山発どこへでも
研修や講演のご相談はお気軽にどうぞ!
数人の子育て座談会から企業研修まで対応
企業での社員カウンセリングも対応