怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
「今の時期は、こういうもんだ」って、子どもへ思えていますか?
乳幼児期も思春期も発達課題がある
スーパーでレジを終えて買ったものをレジ袋へいれていたとき、僕の後ろにいた子連れのお母さんの声が聞こえてきました。
「それはもう買ってるから、出さなくていいの!」
子ども用のカートに乗った、1歳から2歳くらいの男の子がどうやらすでに買ったものをレジへ出そうとしていたようです。
その後、そのお母さんは子どもの乗ったカートを押しながら、子どもへこんなことを言ってたのです。
「なんで言うこと聞けんの!?イヤ!もうほんとに・・・」
お母さんも余裕がなかったのでしょう。疲れも溜まっていたかもしれませんね。
気持ちはすごくよくわかりますよ。
でも、子どもって好奇心の塊ですから、大人のやっていることをやってみたくてたまらないんですよね。
帰宅した妻へこの出来事を伝えると「子どもはやってみたいもんね。年齢からしてそういうもんだから、しょうがないんだけどなあ。」と。
やはり妻も同じことを言いましたね。
子育てをしていると、子どもが親の予想外の行動を起こします。
そんなときには、「そういうもんだ」って、子どもを受けとめることが必要になってくるんです。
これは教師をやっていたときも同じで、生徒がトラブルを起こしたときも「そういうもんだ」って思ってましたし、そう思わないとやってられないことも多かったです。
ブログでも何度か書きましたが、人の成長には、それぞれの時期に達成しておかなくてはいけない課題があります。
詳しくはこちら➡子どもの行動が理解できない!子育ての悩み解決にライフサイクル
思春期になれば、思春期ならではの子どもの発達課題があって、トゲのある言葉を言ったり反抗的だったり、または無口になって無反応になったり、そうかと思えば、急に甘えて来たり。
思春期というのは、甘えたいけれど甘えられない自立と依存の葛藤の時期でもあるんですね。
これを『アンビバレント』=『両価性』といいます。
異性に対して本当は好きなのに、わざと意地悪をしたり、嫌いな態度をとったりすることも同じです。
そういえば、僕も中学生の頃あったなあ~。
気になっていた女の子の友達が「稲田くん、◯◯ちゃんがいっしょに帰りたいって言っとるでー!」と言ってきて、本心では「マジかー!」って、気持ちがメチャクチャ高ぶったのに
「はあー?なによんなら!そんなんいやじゃわ!」と、僕はわざと嫌そうに断ったことがありましたねえ(笑)
思春期の子どもに怒るより、受け止めるだけでいい
さて話がそれましたが、思春期の息子さんを持たれるお母さんが、フェイスブックの投稿でとっても素敵なことを書かれていました。
昨夜も帰宅後イライラをぶつけられウンザリ。
存在自体イミフだと言われてるので、あの子が起きてイライラをぶつけられる前に娘と猫カフェ(←初体験)に出かけようかなと考えていました。
起きてきたのでちょっとお母さんら今から出かけようかなと思ってんねんと報告。
どこ行くん?というので、猫カフェというと、え‼️一緒に行く‼️とのこと‼️
逆にびっくり‼️猫やで?猫おんねんで。というと、わかっとる。猫好きだけー行きたいとのこと。後部座席から「なぁ、お母さん昨日ごめんな」と言われました。
毎日ひどいこと言われるけど、冷静になって自分から謝れるだけ成長かなぁと。
甘いなぁ母は。
娘も毎日かわいいけど、この瞬間の息子はなんとも言えん愛おしい感情に包まれます。
今はお母さんやお父さんが鬱陶しい時期なんでしょうね。
長男を力で押さえつけることもしたくないし、あの子は心の中でいっぱい葛藤や我慢がある時期を自分の力で乗り越えようとしています。
お母さんこそすぐ怒ってごめんなと仲直り。
思春期真っ只中の息子さんを抱えるお母さん。
息子さんのイライラに振り回されることが多いようで、息子さんから「ごめんな」と言われる前日は部活でのイライラをぶつけられていたようです。
でもこのお母さんは、思春期の息子さんの行動にいちいち腹を立てて反応することに力を注ぐのではなく、息子さんのイライラを受けとめることに力を注いでいるんです。
僕は、素晴らしいなあって感動しましたよ。
子育てでどこに力を注ぐのか?
子どもへ怒るより、気持ちを受け止めることに力を注ぐ方が、絶対にいいです!
だからこそ、子どもの成長では、「今の時期はこういうもんだ」って、受け止めてやることが必要なんですよ。
だから、焦らず見守ることも大切にしてくださいね。
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