怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
『頑張る』
この言葉に、あなたはどんなイメージを持ちますか?
僕はいつからか、『頑張る』という言葉を使わなくなってます。
頑張ることは自己中心的で苦痛を伴うこと
『頑張る』というのは、僕にとって苦痛を伴うイメージがあります。
以前10kmマラソンに出ていた時、タイムを上げるために練習を頑張ってました。
自分の目標達成のために、苦痛があってもそれを乗り越えることが『頑張る』ってことだと思ってストイックに練習していました。
自分のタイムが上がり、マラソン大会の結果も良ければ嬉しい。だからまた『頑張る』気持ちが湧き起こってました。
でもいつからか、「定期的に走っておかなければタイムが落ちる」という気持ちの方が強くなっていたんです。
「良いタイムが出せなければ大会に出る意味がない」と思うようになって、走る楽しさよりも、「走らなければタイムが出ない」という義務感の方が強くなってました。
あるとき、何かで『頑張る』について書かれていたことが、すごく印象に残ってます。
頑張るということは、実は自己中心的になるということ。
『頑張る』の語源は『我を張る』で、『自分を押し通す』ということ。
それは『自己中心的』な気持ちで、他者と競争して自分の利益を第一に優先させること。
結局ぼくは、タイムを上げて自分は他人よりも優れている『優越感』を味わいたかったんですよ。
だから『頑張る』というのは、本当に自分が心からやりたくてやっていることではなく、見せかけの自分だったわけなんです。
そうなると、知らずしらずのうちに無理をしてしまいます。
膝が痛くなるとか、足首が痛くなるとか・・・、身体はちゃんと自分自身へ警告を発してくれますね。
ところが、それを無視してさらに『頑張る』から、その代償は大きくなってしまうわけですよ。
最近、感情と病気との密接な関係についての本も読んで、自分の体が発するサインを無視しちゃいけないって、すごく思います。
過去の自分のケガや病気を振り返ると、そこには自分の感情が大きく関わっていて「なるべくしてなった」と実感してます。
このことについては、またいつか書きますね。
「自分にとって本当にやりたいことをやっているか?」「心の底からワクワクすることかどうか?」これって、実はすごく大切なんじゃないかって。
『頑張る』って、結局自分の優越感を満たすためだったり、我慢して苦痛を伴うことじゃないかって思います。
本当に好きでやることは『頑張る』という気持ちを出さなくても、自然と自分の力を出し切れますよ。
子どもは頑張り続けることで本当の気持ちに蓋をし続ける
不登校や学校へ行きづらいという子ども。
いろんなタイプの子どもがいますが、すごく『頑張る』タイプも結構いるんです。
幼い頃から頑張り続けてきて、あるとき急に燃料切れのようになる子ども。
こういう子どもの『頑張る』は、自分がワクワクすることをやってこなかったのではないでしょうか?
もしかしたら、幼い頃はワクワクして頑張っていたのかもしれません。
それがいつの頃からか、「頑張って成果が出れば、親は喜んでくれる」「頑張れば、親に褒めてもらっていいことがある」と、それは自分が本当にワクワクしてやることではなく、親の喜ぶ姿が目的なっているわけなんですよ。
そしてそうやっていくうちに、自分の本当の気持ちに蓋をしてマヒしていっちゃうんじゃないのかなって感じます。
マヒしていくとどうなるか?
無意識のうちに人の期待に応えるようになる。
「こうしておけば、親に迷惑かけない」「こうすることが、親を安心させる」
そうやって頑張り続けることで、自分の本当にやりたいことに蓋をして生きていくことになります。
親は子供の努力だけでなく、上手くいかなかったことも認めてやる
子どもの努力を認めることは大切。でも、努力したことばかり褒めていると、力を抜けなくなってしまいます。
大人だって何もやる気が起きないときだってありますよね。そんなときに「頑張れ!」って言葉ほど、キツイ言葉はありません。
「お疲れ様。そんなときもあるよ」
「頑張ったね。まあ、あとはなんとかなるよ」
こんなふうに、ホッと力が抜ける一言も必要です。『頑張れ』より『頑張ったね』でいいし、何も言わずにそっとしておくことだって、時には必要。
なんでもかんでも、全力を出し切るなんて無理!人間は完璧じゃないです。それは、子どもも親も同じ。
「まあ、えっかー!」
上手くいかないときも、こういう気持ちも持っていったほうが、意外といい方向へ進むもんですよ。
そして、「頑張るぞー!」って言うよりも、「自分のベストを尽くすぞー!」のほうが、すごく前向きな気持ちになっていいなあって思いますね。
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