怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
自分に合っていない鎧は、さっさと外したほうがいい。
職場の悩みが承認欲求の不足だった
以前、Aさん(男性)からの相談を受けました。
「新しい職場に変わり、今まで全くしたことのない仕事なのに、職場をまとめる立場でとてもしんどく、その立場としての役割が果たせていない自分がふがいないんです」
Aさんは、とても深刻に悩まれていたのです。
いろいろと話を伺っていると、自分の職責も果たされ、職場自体もうまく機能しているようでした。
僕「Aさんのやるべきことも責任を果たされていますし、職場全体も機能しているようですし、今のところ問題はないですよね?」
Aさん「まあ、確かにそうですが・・・、でも自分としては役割を果たせているのかどうか・・・、よくわかりません」
どうやら、自分自身に対して、もっと今の立場としてできることがあるんじゃないかと、自分をすごく責められているようでした。
すごく仕事に対して誠意をもって取り組まれていて、責任感のある人なんだろうということが伝わってきます。
いろんな話をしていくうちに、Aさんはこう言われました。
Aさん「以前の職場では、自分は頼られていました。そして自分の居場所がありました。今は頼られるよりも、初めての仕事でわからないことを部下へ聞くことが多く、頼ってばかりです」
僕「そうでしたか。今までは、自分が役に立っていて存在意義を感じていたんですね?」
Aさん「そうですね」
僕「人は、認めてもらいたいという『承認欲求』がありますが、その欲求が満たされてなかったということですね?」
Aさん「そうですよね。結局そこが一番の自分の問題点ですね」
僕「今まで初めての仕事にもかかわらず、責任を感じて真摯に取り組まれてきたと思います。充分頑張ってこられていますよ。Aさん自身の理想の上司像、自分に合っていない上司としての鎧を外していってはどうですか?」
こういった話をしていくうちに、自分自身のことをさらに話してくれました。
弱い自分を出すことが悪いと感じられていましたが、話を進めていくうちに、それは悪いことではないことにも気づいていただくことができました。
職場の部下へ自分の悩みや苦しみを伝えてみることや、一番の理解者である妻へも言ってなかったことを今日は言えたので、家に帰って伝えてみるなど、これからの展望も見えて少しすっきりした表情に変わっていっていました。
本当の自分で生きることの大切さ
そして最後に言われた言葉が印象的でした。
「先生の言われた『鎧』という言葉が、すごく印象に残りました。少し自分の鎧を外して、楽にしていけるようにして見ようと思います」
この言葉を聞いて、僕も安心しましたし、「ああ、この人は、きっとこれから良い方向へ進むな」と確信できたのです。
本当の自分を隠したり、本当の自分の心の声に蓋をしたり、特に社会的立場のあるかたは、それをしがちです。
もっと自分に対して「よしよし、自分はがんばったよ」って、言ってあげられるといいなあと思います。
「〇〇だから、こうあるべき」
こういった、強迫観念に縛られている人が世の中多いです。
この男性のように、自分の信念から解放されることができればいいですね。
こういう信念は、幼いころからの親の関わりでできあがってくるのです。
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