岡山コミュニケーション研修講演企画いなっち先生こと稲田尚久です。
昨日は、某児童養護施設の小学生にアンガーマネジメントをお伝えさせていただきました。
休日でしたから「アンガーマネジメントの勉強なんて嫌だ。学校でも教えてもらってるし」と嫌がる男の子がいましたが、いざ始まればすごく積極的に手を挙げたり、とても楽しんで学んでくれました。
さまざまな家庭の事情で入所している子どもたち。多くの子どもたちがネグレクトで入所しているそうです。
知的障がいや発達障がいを持っていたり、自分の気持ちを上手くコントロールできずに失敗してしまう子どもも多いとのこと。
どの子供たちも純粋だし明るいんですが、実は愛着形成が不十分な子どもたちなんですよね。
よく抱っこされた子どもは強くたくましく育つ
愛着形成には『抱っこ』がすごく効果的なんです。それを裏付ける内容が書かれたこの本。
『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』(岡田尊司 著 光文社新書)
『抱っこ』の効果について次のように書いてあります。
人は、生まれるとすぐに母親に抱きつき、つかまろうとする。
逆に言えば、育っていくためには、つかまり、体に触れ、安らうことができる存在が必要なのである。
そうしたことの重要性が知られていなかったころ、孤児となった子どもは、スキンシップの不足から食欲が低下し、衰弱死してしまうことが多かった。
子どもが成長していくうえで、母が抱っこすることは、乳を与えることと同じくらい重要なのである。
いくら栄養を与えても、抱っこが不足すれば、子どもはうまく育たない。
抱っこをし、体を接触させることは、子どもの安心の原点であり、愛着もそこから育っていく。
抱っこをすることで、子どもから母親に対する愛着が生まれるだけでなく、母親から子どもに対する愛着も強化されていく。
抱っこという実に原始的な行為が、子どもが健全な成長を遂げるうえで非常に重要なのである。
それは、子どもに心理的な影響だけでなく、生理的な影響さえ及ぼす。子どもの成長を促す成長ホルモンや神経成長因子、免疫力を高める物質、さらには、心の安定に寄与する神経ホルモンや神経伝達物質の分泌を活発にするのである。
抱っこは、スキンシップという面と、「支え、守る」という面が合わさった行動である。
よく抱っこされた子は、甘えん坊で一見弱々しく見えて、実のところ、強くたくましく育つ。その影響は、大人になってからも持続するほどである。
子育てを効率良くすることは危険
さらに、親からの抱っこの重要性を裏付ける衝撃的な事実が書かれています。
それは、イスラエルのキブツという農業共同体で行われた子育ての試みについて。
進歩的で合理的な考えの人たちが、子育てをもっと効率よく行う方法はないかと考えた。
その結果、一人の母親が一人の子どもの面倒をみるのは無駄が多い、という結論に達した。
複数の親が時間を分担して、それぞれの子どもに公平に関われば、もっと効率が良いうえに、親に依存しない、自立した、もっと素晴らしい子どもが育つに違いないということになったのである。
その「画期的な」方法は、さっそく実行に移された。
ところが、何十年も経ってから、そうやって育った子どもたちには重大な欠陥が生じやすいことがわかった。
彼らは親密な関係をもつことに消極的になったり、対人関係が不安定になりやすかったのである。
さらにその子どもの世代になると、周囲に無関心で、何事にも無気力な傾向が目立つことに、多くの人が気づいた。
親との関わりがいかに大切か!?
親子の愛着形成は人としての土台作り
親子の愛着形成をせずにおいて、しつけだけする。それは、根っこのはってないまま木が成長していくようなもの。根っこがはっていない木は強い風で倒れる。
人も同じです。人間が幸福に生きていくのに大切なものは安定した愛着。その一番の原点が、乳幼児期の母親との関わりなんですよね。
ですから、子どもが小さいうちはしっかり『抱っこ』をしてやってほしいのです。
大人になってからでも不足した愛情は取り戻そうとします
しまった!我が子には不足していた。そう思ったなら、今からでも遅くないです。思春期を迎えていても、取り戻せますよ。
しっかりと子どもに関わってやってください。子どもとの時間を大切にしてみてください。満たされなかった愛情は必ず取り戻そうとします。それは大人になってからでも。
ただし、大人になってからはゆがんだ形で表現されることが多いです。
だから「うちの子どもちょっと愛着が不足してたかな?」って、気づいた時がチャンス!育てなおしはできますから。
思春期からの育てなおしは時間もかかります。忍耐も必要です。イライラもします。
そんなときにアンガーマネジメント。ぜひ一度学んでみてくださいね。
アンガーマネジメント、コミュニケーション、子育て
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