怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師いなっち先生こと稲田尚久です。
先日妻と某ホームセンターへ行ったときのこと。店の前で座り込んでいる3~4歳くらいの男の子が、お母さんから激しく怒られてたんです。
お母さんが何を言っていたのかハッキリわかりませんが、「何やってんの!さっさとしー!」って激しく大声で言った言葉は聞こえました。
母親から激しく怒られた男の子の表情が危険な状態!
ところがその男の子はしばらく座り込んだままで、僕と妻は店に入っていくためにその子どもの近くを通っていましたが、その子どもの表情を見てゾッとしたのです。
その理由は、子どもの表情が『無表情』だったから。怒られているのに、悲しむのでもなく、泣くのでもなく、怒るのでもない。ボーっと
焦点も定まらない状態で座っていたのです。
僕「あれって、ヤバイじゃろ?感情を感じられなくなってねーか?」
妻「うん。あれは『感情鈍麻』になってしまっとるわ」
僕「このまま、自分の感情を感じないまま成長していくと、人の気持ちがわからなくなってりして犯罪を犯したりするかもしれん」
妻「ほんと、将来が心配」
『感情鈍麻』とは、喜怒哀楽が感じられなくなったり、乏しくなっている状態です。
子どもの望むような親になる気持ちが大切
『完 子どもへのまなざし』著者:佐々木正美。この本はたびたびブログでも紹介していますが、今回のこととすごく関係あるので関連する部分を紹介します。
- 作者: 佐々木 正美
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2011/01/20
- メディア: 単行本
本の中で書かれていることから引用しますと
「人間というのは、人生のはじまりにおいて、自分が望んだように育てられれば育てられるほど、生きる希望がわいてくる。基本的信頼感の中身は希望です」
「人を信じる力と自分を信じる力は、表裏一体のもので片方だけということはない。信じることができる人をもてないと、人間は自分も信じることができなくなる」
そういう育児をしてくれる人に出会うことによって、相手と共感する感情を育てることができます。
この共感性という感情があるから、相手に対する思いやりとか、相手の喜びを自分の喜びにすることができ、大きくなるにつれて、相手の悲しみ、苦しみを思いやることができる感情へと発達していくのです。
親は子どもの望むような親になる気持ちが大切なんですよね。しかし、自分の望んでいることを子どもに押しつけようとする親もいます。
アンガーマネジメント的に言えば「子どもはこうあるべき」がとても強く、その通りにならなければ子どもを感情的に怒るといったことになっていきます。
さらにまずいのが、親が一方的に怒るだけで、子どもの気持ちを受け入れたり共感してやらないこと。
この本の中で次のように書かれています。
自分が喜ぶことを相手も喜んでくれる人に育児されたいと思う子どもの感情は、3歳くらいまで持続して発達するものです。
この時期は、子どもが喜ぶこと、悲しむことを一緒に共有してあげること大切なんですよね。それが他人の悲しみも共感できる子どもへと育っていくというわけです。
僕も今更ながら、できていたのかなあ?
と過去を振り返ることもあります。過去の反省もふくめて、今できることは講演で伝えていくことです。
アンガーマネジメント、コミュニケーション、子育て
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